幼稚園は保育園に比べ、預かりの時間が4時間ほどと短いです。そこで「預かり保育」や「一時預かり」といった制度を利用する方法があります。これは、通常より延長して子どもを預けられるしくみです。利用を希望する場合、どういったところを確認しておくべきか知っておきましょう。
預かり保育はどんなしくみ?
預かり保育の意味
幼稚園の管轄は、小学校などと同じ文部科学省です。従って、その根幹には「教育」が目的としてあります。そのため、預かり保育にも「教育活動」の一環という意味が込められています。
ただし、この預かり保育は通常の幼稚園の教育時間を過ぎてから行われるものです。だから預かり保育には、教育の一環としてだけでなく「働く両親を支援する」という意味も含まれています。ちなみに保育所との違いは、保育所の管轄が厚生労働省であることにあります。そしてその目的が「保育」であることも、幼稚園との大きな違いです。
預かり保育には定員がある
もし預かり保育を利用したいと思った場合は、申請する必要があります。園や自治体に、申し込み用紙があるので提出しましょう。ただし、多くの場合定員が設けられているので注意が必要です。希望人数が多い場合は、預かり保育が受けられない可能性もあります。希望する場合は、園に問い合わせて確認しておきましょう。
対象年齢は3歳以上
預かり保育の対象となるのは、満3歳以上の幼稚園児です。ただし、園によっては3歳であっても、その歳になってから数カ月たたないと受け入れてくれないケースがあります。特に年度当初は8月頃までは制限を設けているところも見られます。
いつどんな時に預かり保育を使えるの?
預かり保育は日曜日と年末年始以外
預かり保育は通常、日曜日と年末年始を除いて実施されます。従って月曜日から土曜日まで、夏休みなどの長期休暇期間も行われます。一日の預かり時間は保育所の方が長いですが、保育所は原則夏休みなどの期間が設けられています。そういった意味で、幼稚園の場合、長期休暇でも預かってもらえる可能性が高いというのはメリットですね。
ただしこれも、全てではありません。園によっては長期休暇を取るところもあります。あとでびっくりしないよう、預ける前に預けられない期間については、よく確認しておきましょう。長期休暇以外にも、運動会等の行事前や、学期末、新学期開始直後は注意が必要です。
預かり保育の多くは終了後、16~17時ごろまで
預かり保育が行われる時間帯は、園によって異なります。多くは通常の幼稚園の教育終了後、延長して行われます。16~17時まで、というところが多いです。あるいは園の就業前に行われることもあります。
預かり保育の料金は?
預かり保育を利用する場合、利用料は月々のお金と別にかかります。基本料に加え、食事代・おやつ代が発生する場合もあります。これは園によってかなり差があります。希望する園に直接問い合わせてみましょう。
どんなことをするのが預かり保育?
預かり保育の内容は園に任されている
幼稚園は教育の場だからといって、「預かり保育はこういうことをする」という決まりはありません。その内容は各園にまかされています。そのため、どのような教育や行事を行うかということについては、園によって大きく差があります。
園によっては預かり保育が「習い事の場所」になっている
ただ幼稚園の延長で預かる園もあれば、預かり保育自体が「習い事」のような場所になっている園もあります。例えばその時間が英会話の勉強になったり、講師を呼んでの運動や、習字などの授業が開講されたりします。
私立の幼稚園では、こういった取り組みをしているところが多いです。もし幼稚園でこういった取り組みがされているのであれば、別の場所に通う必要が減るというメリットが生まれます。
そのほかに確認しておきたいこと
預かり保育の”有無”は園によってまちまち
預かり保育は、園によって実施されていないこともあります。自分の子どもが通う園にそういった制度があるかどうか、まず確認してみましょう。そうでないと、保育園と違い幼稚園は14時ごろまでしか預かってもらうことができません。働いている状態で、預かってもらえないとなると、子どものお迎えやその後の時間どうするかなどの悩みが生まれることにもなります。
送迎バスの利用状況やお昼寝の設備なども確認しましょう
ほかにも、子どもを預ける上で園に確認しておく方がいいポイントがいくつかあります。まず、交通手段です。例えば園によっては送迎バスを用意しているところがあります。これは、通常の幼稚園利用者のために用意されていることがあります。
だから預かり保育を利用する場合、通常の時間より遅くなるので利用できないケースがあります。もし利用できない場合、その分のバス代はどうなるのか、など費用面も確認しておきたいところです。
また、通常幼稚園では「お昼寝」の時間は設けられていないものの、園によっては簡易ベッドなどが備えられていることがあります。そういった設備があるのかどうか、ある場合利用できるのかを確認しておきましょう。
幼稚園+預かり保育+学童
幼稚園のいいところは、対象の年齢になると誰でも入れることです。もちろん、学区制なので、原則として住んでいる地域の、指定された園に行くことになります。ただし保育園と違って、入園に理由が必要ということはありません。
私立の場合面接が行われたりもしますが、公立であればない場合もあります。さらに、自治体によっては、預かり保育以外に「放課後児童クラブ(学童)」と連携している場合もあります。
放課後児童クラブも、事前申し込みが必要で定員制です。それでも幼稚園のあと延長して預かってもらうことができます。保育園に入れない場合で、フルタイムでない働き方をする場合にはこういった制度を利用するのも一つの方法です。
まとめ
幼稚園の預かり保育は、行っている園とそうでない園があります。利用を希望する人は、事前に園に問い合わせてみましょう。その際申請方法と定員、預かってもらえる年齢や利用料についてと、預かり保育の内容について聞いておくことが大切です。
また、預かり保育が行われない期間についても知っておかなければなりません。さらに、送迎バスや設備の面でも、預かり保育を利用するとどうなるかということも知っておきたいポイントです。園によっては習い事のような時間になることもあります。上手に活用したいですね。