赤ちゃんが生まれて、最初の大きな成長のバロメーターでもある首すわり。ちゃんと首がすわるか、時期が遅くないかなど気になってしまうママも多いと思います。
確かに、赤ちゃんの首すわりは、ある一定の時期を越えてもできないと、なんらかの病気が隠されている場合もあるので、きちんと首がすわるか、その時期がいつかということはとても大切です。
今回は、赤ちゃんの首すわりについて、その時期や意味についてお話ししたいと思います。我が子の成長の過程を見過ごさないためにも、きちんと見守ってあげましょう。
自分で首を動かせるようになるのが首すわり
生まれたばかりの頃の赤ちゃんは、首の筋肉や首や頭を支える運動機能が未熟なので、親に支えてもらわないと頭がグラグラした状態です。
ところが、筋肉や運動機能の発達とともに、首を左右に動かせるようになり、その後、少し支えてあげると立て抱きができるようになり、最後は親が首や頭を支えなくても、自分で頭を安定させ自由に動かせるようになります。この状態が「首がすわった」状態です。
首が完全にすわる目安は、以下の3つが基準になります。
- 腹ばいにしたときに、自分の頭を安定させて持ち上げることができる
- 仰向けの状態から両手を引き上げると、首をしっかり自分で持ち上げることができる。
- たて抱きにしたとき、支えがなくても首が完全に安定している。
この3つが完全にできるようになると、首がすわったといえるので3~4か月健診でも小児科医師が目で見て、首すわりの成長を確認します。
首すわりの成長が大切なのは、次の成長や発達に影響するため
赤ちゃんの成長には個人差があり、その子によって成長が前後したり、全くせずに次のステップを踏んだりするものもあるのですが、基本的には順番通りに成長し、中でも必ず出来ないと次のステップに踏めない運動機能もあります。
赤ちゃんの運動機能は脳に近い頭から発達し、徐々に下(足)に下りていきます。具体的には、目→首→腕→手→腰→足の順番で成長していき、順番が前後することはありません。その中でも、体幹の成長をあらわす首すわり(首)と一人すわり(腰)、一人歩き(足)は必ず順番どおりに、また飛ばすことなく発達していきます。
運動機能の発達は順番どおり。成長への影響もあります
なぜなら、首がすわる、腰がすわる、一人で歩けるという運動機能は、できないと次の成長や発達に影響するからです。成長や発達の影響は、運動機能だけではなく、知能や言葉、感情などの発達にも影響します。
また、幼児期の発達は家庭環境が影響することもありますが、乳児期の発達は家庭環境ではなく、先天的なものが影響している可能性があるからです。
そのため、できるようになるまでに一定の幅はありますが、必ずできることと、できるようになる時期が大切なのです。
赤ちゃんの運動機能の目安
赤ちゃんの運動機能は、粗大運動と微細運動に分けられ、その成長にはある一定の順番とできるようになるまでの目安の期間があります。
【粗大運動の発達】
生後1か月過ぎ~2か月 | うつ伏せで顔を上げるようになる |
生後3~4か月 | 首すわり(5か月までにはできるようになるのが目安) |
生後5~7か月 | 寝返りができるようになる |
生後7~8か月 | 一人すわりができるようになる(9か月までにできるようになるのが目安) |
生後8~9か月 | はいはいができるようになる |
生後10か月頃 | ひとり立ちや伝い歩きをするようになる |
生後12か月頃 | ひとり立ちができるようになる |
1歳半頃まで | ひとり歩きができるようになる |
【微細運動の発達】
生後2か月頃 | 手を口に持っていこうとする |
生後3か月頃 | 手をじっと見つめる |
生後4か月 | 熊手で物をつかむようになる |
生後5か月頃 | 両手で物を持ったり、持ち替えたりする |
生後8~9か月 | 親指と他の4本を使ってものをつかめるようになる |
生後10か月頃 | 指それぞれを使って小さいものを持てるようになる |
生後12か月頃 | スプーンやフォークを使おうとする 腕と手を同時に使えるようになる |
この表でみると、赤ちゃんの首すわりは早いと3か月くらいからできるようになり、4か月過ぎではほとんどの子ができるようになります。そのため、首すわりの目安は、5か月までにできるようになることだと考えましょう。
首すわりの発達を促すためには? できなければどうすればいい?
大切な成長である首すわり。できるようになるためにはどうすればよいのでしょうか。また、もしいつまでもできなければ、どのように対応すればよいのでしょうか。
首すわりには”うつ伏せ練習”が有効
首すわりの練習には、うつ伏せ練習が有効です。赤ちゃんがうつ伏せになり、自ら首を持ち上げることで、首の筋肉や背中の筋肉の発達を促し、首すわりの練習になるからです。また、肺機能も活発にさせるといわれています。
方法は、仰向けの状態から赤ちゃんをゆっくりうつ伏せにさせて、赤ちゃんの腕を前に持っていってあげます。腕を前に持ってきてあげることで、首を自らあげようとする助けになります。首が不安定な間は、タオルなどを胸に引いて少し高さをつけてあげると、赤ちゃんが首を持ち上げやすいでしょう。
このとき、まだ首が不安定なので、赤ちゃんを一人にさせたり、目を離したりしてはいけません。お腹がいっぱいのときは、吐いてしまうこともあるので、避けます。また、嫌がって泣いてしまうときは無理にさせないようにしましょう。機嫌がよいときに、優しく声をかけてあげながら練習することがポイントです。
心配なときは健診時や保健センターで相談を
首すわりの目安は、5か月までにできるようになることですが、いつまでもできない場合や心配なときは、健診時や保健センター、子育て支援センターの窓口で相談してみましょう。
子どもの発達は、一つのことだけでは決められません。その子の出生時期や個性なども見ながら、全体的な発達を見て判断します。首すわりが遅いから、ただちに何か異常があるということではありません。
子どもの成長は、一人ひとりに合わせて見守ることが大切です。他の子と比べて遅い、早いという目で見ないであげることが必要です。また、成長に遅れがあり、何か原因がある場合は、その原因を見極め、その子に合わせた療育をおこなうことが大切です。
大切な我が子が健やかに成長できるよう、温かくゆっくり見守ってあげることがもっとも大切ですね。