お母さん一人で双子を同時に寝かしつけるのは至難の業です。二人同時に寝てくれたら、そのぶんお母さんも気が楽になりますよね。しかし、一人が寝てくれてももう一人がなかなか寝てくれず、ようやく寝たと思ったら先に寝ていたほうがお目覚め……なんてことは、日常茶飯事です。
そこで今回は、私が実際に行なっていた双子の寝かしつけについて紹介していきたいと思います。
アイテムをフル活用
新生児から首据わりまでの間は、当然ですが抱っこで寝かしていました。しかし一人を寝かしつけている間にもう一人がぐずりだし、結局二人とも大泣きということもありました。
一人が寝るまでもう一人には泣いて待っていてもらうという方法もあるのですが、私は泣いているほうを放置することができませんでした。泣いているのを放っておけない!ということではなく、一人が泣いているともう一人も泣きだしてしまうからです。そんなときは、使えそうなアイテムはどんどん試してみました。
授乳クッション&ドーナツクッション
授乳クッションは通常、母乳やミルクの際に補助的な役割で使用するものです。しかし私は、授乳クッションで子どもを包むように座らせて使用していました。座らせるというよりも、もたれているといったほうが正確かもしれません。
そしてドーナツクッションの穴に、お尻がちょうど入るように入れます。ドーナツクッションを入れることによって、授乳クッションから体がずれないようにしていました。一人を抱っこで寝かしつける際、もう一人をクッションに包んでおくのです。すると双子は、この方法で大人しくなりました。
後日保健師さんにこの話をすると、授乳クッションに包まれていると、抱っこされているようで安心し、落ち着くんだろうとのことでした。とてもいい方法ね!と褒められたのをよく覚えています。この方法がいい!と気づいてから、授乳クッションをもう一つ買い、二人とも包むことが増えました。
バウンサー
一人を抱っこし、もう一人をバウンサーにのせ、足で優しくユラユラさせます。もしくは二人ともバウンサーに乗せ、ユラユラさせて寝かせます。
バウンサーには様々な種類がありますが、ハイローベッド&チェアがあると便利です。イスとしてもベッドとしても使用できるので、そのまま寝かしておくこともできます。
私の場合、ハイローチェアで寝てしまったときは、しばらくたってから布団に移動していました。また、取り外し可能な机が付いているので、後々離乳食用としても使用できます。
抱っこ(おんぶ)紐
ハイハイや寝返りができるようになると、授乳クッションが通用しなくなります。そうなるとやはり、抱っこで寝かしつけることが多
くなってしまいます。苦肉の策ですが、抱っこ紐を二つ使用し、おんぶと抱っこで寝かしつけをしていました。
これをすると、普通の抱っこよりも寝てくれます。特におんぶは気持ちいいようで、すぐに静かになりました。しかし、布団に寝かす際、抱っこのほうを先に降ろさなければならないので、抱っこの子が先に寝てくれないとかなり辛いです。
双子の体重が増えるにつれて、この方法は段々と辛くなっていきました。しかし同時に寝かしつけたかったので、この方法を続けていました。
ビーズクッション
母親がビーズクッションにもたれ、両手に抱きかかえるように寝かします。完全に抱っこするというよりも、クッションに双子の体を置き、それぞれ手で支えているだけという感じなので、意外と楽です。
問題は、寝てから布団に移動するまでです。この寝かしつけは気持ちいいのか落ち着くのか、すぐに寝てくれていたのですが、移動がとにかく大変でした。一人ずつ移動したくても二人を抱いているので、どうしても一人から手を離さなければなりません。その際に起きてしまい、結局振り出しに戻る……ということも多かったのです。
そこで、ビーズクッションごと布団にもっていくようにしました。これなら1人が寝ても片手で布団にコロンと降ろすことができます。この方法は風邪をひいて鼻が詰まって眠れないときなど、今でもやっています。
夜泣きは夫と協力して乗り越える
うちの双子の夜泣きは、抱っこをするか、ミルクを飲ませれば大人しく眠ってくれるタイプでした。これには本当に助けられました。とはいっても、まだ首も据わらない頃は抱きかかえてミルクを飲ます必要があります。
睡魔で意識が朦朧とする中、ミルクを作り、夫と一緒にミルクをあげ、ゲップをさせてなんとか眠らせていました。こんなとき、「あー、母乳諦めといてよかったなー」と思っていました。
本格的な夜泣きに悩まされるようになったのは、双子が3歳になった頃でした。赤ちゃんのときでさえそんなに夜泣きをしなかったのに、なぜ今頃!?と首をかしげました。
声をかけても抱っこしても泣きやみません。どうしたものか……と思っていましたが、とにかく何をしてもダメなので落ち着くまで見守るようにしました。
少し落ち着いたかな?という頃に「お茶飲む?」「抱っこしよっか?」と声をかけます。そうすると、お茶を飲んですぐに寝たり、抱っこをしても「布団で寝る」と言って大人しく寝てくれます。最も効果があったのは「おんぶしよっか?」です。子どもっておんぶが好きですよね。
おんぶをしてあげると、さっきまでギャーギャー泣いていたのに、あっという間に静かになり寝てくれるようになりました。
ミルクでもイイじゃない♪
産前、産後には『とにかく母乳!母乳が一番!』と耳にする機会が多かったように感じます。しかし、私が双子を産んだ病院では、「母乳にこだわらなくていい!お母さんの体も大事なんだから気にしなくてOK」という感じでした。
私は母乳の出がとてもよく、ミルクを買うよりも母乳をあげ続けたほうが経済的にはいいんだろうなとは思っていましたが、双子が生後4ヶ月になった頃で諦めました。
母乳の出が良くても、我が家の双子は体が小さい分、口も吸う力も弱く、おっぱいを飲むのが、とても下手でした。そのため、無理矢理咥えさせるようにしたり、搾乳をして飲ませたりと、授乳にかなり時間を使ってしまっていたのです。一人だけならなんとかなったかもしれませんが、これを二人分しなければならず、本当に大変でした。
ママの体力や余裕と向き合いながら、ミルクか授乳か決めることは大切
せっかく母乳がたくさん出るんだから頑張ろう!と思っていましたが、里帰りもせず日中1人で双子の世話をし続けていた私は体力的にも限界で、少しでも楽ができるなら……という思いで、ミルクに切り替えました。
今でもこの判断は正しかったと思っています。ミルクにしたことで、夫にも授乳を手伝ってもらい、体力的にも精神的にも救われました。時々自宅に来てくれる姉や母や友達に手伝ってもらうこともでき、短時間でもとても助かりました母乳が出るのにもったいない!と言われたこともありましたが、気にしていません。ほぼミルクで育った双子は、病気をすることもなく、園に通い出すまで風邪知らずの子でした。
ミルクの栄養価はとても素晴らしいですし、食べる物を気にしなくていいのはストレスの軽減につながりました。
母親の気持ちに少しでも余裕ができることは、とても大事なのです。
大切なこと
双子の世話に追われ、朝も昼も夜もヘトヘトになりながらお世話をしているお母さんお父さん。本当にお疲れ様です。双子を育てるには、夫婦で協力し合うことが不可欠です。子育てなら当然ですが、双子の場合特に夫が協力的でないと奥さんは大変な苦労をします。
これは我が家の話ですが、ある日の夜中、双子の様子を見ようと起き上がると、夫が布団に居ませんでした。見渡してみると、部屋の隅っこのほうでひっそりと座っているではありませんか! 「どうしたの?」と声をかけると、「あ、よかった……トイレ行きたかったから代わりに抱っこしといてくれる?」と。え?二人とも寝てるよね……?と思い夫を見ると、大事そうにスマホを両手で持っていました。そしてそのスマホを私に差し出してきたのです。
疲れているのか寝ぼけているのか。恐らく両方でしょうが、この時は夫の体を心底心配しました。次の日夫に話しても、全く覚えていないとのことでしたが……。今となっては笑い話ですが、当時のことを思い返すと私も夫も限界に達していたと思います。でも、双子が3歳の今。夫も私も双子もピンピンしています。
今が辛くても明日には少し楽になっています。今より明日、明日より明後日、来週、来月、来年……。少しずつですが、どんどん楽になっていきます。
そして、今しかないこの時期。苦しい思いを覚えておくことも大切です。「あのとき大変だったよね」と話すことで、大変だった時期を乗り越えたことを思い返せます。その度に、夫婦の絆、家族の絆が深まるような気がするのです。