赤ちゃんが誕生して1か月、初めて子育てするママも2人目以降の赤ちゃんのママも少し疲れが出てくる頃かもしれませんね。また、体重の増えや母乳のことなど心配事とも出てきているかも知れません。
今回は、生まれて1か月の赤ちゃんの成長や育児のポイントなどをお話しして、少しでも育児が楽になるように、ママの心が軽くなるようになればと思います。
1か月の赤ちゃんの成長は?
【体重】増え方に個人差があるので、心配要りません
生まれてから1か月までの赤ちゃんは平均25g~30g/日ほど体重が増え、1か月経つ頃には約1kg体重が増えると言われています。しかし赤ちゃんそれぞれ個性があるので、全員が1kg増えるわけではありません。
体重は、一人ひとりの赤ちゃんのペースに合わせて見ていくので、1か月健診で問題がなければ心配する必要はないでしょう。
【身長】生後1ヶ月で平均3~4cmほど成長。こちらも個人差があります
生まれたときの赤ちゃんの平均身長は50cm前後ですが、1か月経つと約3~5cm程度身長が伸びます。しかし、身長も個人差が大きく男女差もあるので、平均から外れているからといってすぐに異常というわけではありません。その子なりに成長していれば問題はありません。
【体つき】ふっくらした印象が見られ始めます
生まれたときは華奢だった子も、しっかり体重があった子も、1か月経つと体つきがしっかりしムチムチしてふっくらした印象になります。手足の関節は脂肪でシワの溝ができるようになりますし、頬もふっくらして赤ちゃんらしくなってきます。
【視力と聴覚】まだ形や色の認識があやふや。追視が始まります
生後1か月くらいの赤ちゃんの視力は0.01~0.02程度で、形の認識も難しく色も白黒くらいしかまだわかりません。ただ、明暗の認識はでき、抱っこされるくらいの距離まで近づけば、ママの顔は認識しているといわれています。この頃になると「追視」がはじまり、動くものを追いかけて目を左右に動かすようになります。
聴覚は胎児の頃から発達しています
耳の働きは視覚より発達していて、ママのお腹の中で聴いていた音を聞くと安心するなど、ママの声やママの心臓の音などを認識しているといわれています。また、大きな音がするとビクっとして手足を伸ばすような動きをします。
【味覚】赤ちゃんは母乳の甘みが好き
生後1か月の赤ちゃんでもすでにある程度の味覚が発達しています。母乳の味である甘みを好み、酸味や苦味などはまだ受け付けません。
【表情】”不快”の気持ちは表せます。笑顔は気持ちではない
感情はまだ不快だけで、気持ち悪いなど不快なことを感じると泣いて訴えます。この頃に笑顔が見られることがありますが、まだ自分の意思ではありません。それでも、ママやパパの表情や語りかけに答えるように日に日に表情が豊かになっていきます。
1か月の赤ちゃんの生活は?
寝て起きて泣いてを繰り返す生活
生後1か月の赤ちゃんは、まだ昼夜のリズムがつかめません。寝て起きて、泣いて、おっぱいを飲んでの生活を繰り返しています。まだ眠る力も未熟なので、2~3時間続けて寝てくれるときもあれば、1時間ごとに起きて泣いてしまうこともあります。
それでも起きている間は、ママの顔をじっと見たり、目で追ったり、手足をバタバタさせたりと生まれた頃とはまったく違う動きを見せてくれるようになります。
おっぱいやミルクは、1日あたり10回前後
生まれた頃より1回量の授乳で飲めるが増えてきますが、それでも母乳なら1日10回前後~14回くらい飲む子もいます。完全ミルクの場合は、1回120ccくらいを8回程度飲みますが、ミルクの場合は飲みやすいのでつい1回量が増えてしまいがちになります。飲ませすぎにならないよう注意しましょう。
多めのおしっこやうんち、5回~10回のおむつ交換
生後1か月の頃はおしっこもうんちもまだ回数が多めで、授乳のたびにします。うんちは1日5回~10回以上する子もいますし、おしっこも10回以上はします。
1か月の赤ちゃんに多いトラブルや育児のポイント
母乳やミルク、赤ちゃんの体重のこと
1) 体重増加不良。1日15gを切る増加は少なめかも?
生まれて1か月くらいまでは、ママのおっぱいがまだ十分には出ていないことが多くあります。そのため、母乳だけで育てている場合は体重増加が少しゆっくりになる場合があります。体重の増え方は個人差があるため一概にはいえませんが、1日の体重増加量が15gを切る場合は少し少ないかもしれません。おしっこや便の回数など総合的に判断して、医師や助産師と今後の方針を決定しましょう。
2)混合の場合、母乳だけでよくなることも
1か月健診を過ぎる頃になると、1回の母乳分泌量がぐっと増えてくるママも多いです。そのため、混合で育てていたママが母乳の後にミルクを飲んでくれないと悩まれる方がいますが、実際には母乳だけで満足している場合があります。
不足分ミルクを足していたママは、一度母乳外来のある病院や産院で母乳分泌量や体重の増加などをみてもらうとよいでしょう。
3) 完全ミルクの場合は”飲みすぎに注意”しましょう
完全ミルクの場合は、哺乳瓶で飲んだ量がわかるので、必要量程度をあげるようにしましょう。泣いているからとどんどんあげてしまうと、ミルクを飲みすぎて嘔吐したり、体重が急激に増えてしまうことがあります。
4) ママのおっぱいにトラブルが起きやすい時期
赤ちゃんがおっぱいを飲み始めてまだ1か月なので、ママも赤ちゃんも授乳に慣れず乳頭に傷ができたり、乳腺炎になったりすることがあります。
乳頭のキズには馬油やカレンデュラオイルがおすすめ
乳頭に傷ができたときは、馬油かカレンデュラオイルで湿潤させて保護しておきましょう。あまりに痛い場合は、授乳をいったんお休みして自己搾乳に切り替えることも可能です。
いちばんの乳腺炎対策は、赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらうこと
乳腺炎の症状が出たときは、なるべくおっぱいを冷やして養生することが大切です。悪化しないよう赤ちゃんにはどんどんおっぱいを飲んでもらいましょう。食事は、脂っこいものや甘いものは控えて、消化の良い日本食にします。いずれにせよ症状が強い場合は助産師に診てもらうと安心です。
赤ちゃんのうんちのこと
1) 赤ちゃんの便秘 必殺テクに綿棒で肛門ぐりぐり
1日に1回もうんちが出ない場合やお腹が張って苦しそうな場合は、お腹を「のの字」でマッサージしてあげたり、綿棒の先にオイルを塗って肛門を刺激しましょう。2~3日経っても便が出ない、苦しそうにしている、おっぱいの回数が減ってきたなどの場合は、小児科を受診して浣腸をしてもらいましょう。
2) 赤ちゃんの下痢 ”白い便、血便、嘔吐”は小児科受診を
赤ちゃんはもともと緩い便なので、下痢便と見分けがつきにくいですが、明らかに水っぽい便や、白い便、血便が混じる下痢、嘔吐もしているなど何かおかしいと感じた場合は小児科を受診することが大切です。
3) 赤ちゃんの便の色 便異常を察したら、便付オムツを持って小児科へ
赤ちゃんの便の正常な色は、淡い黄色~やや緑っぽい便です。匂いは甘酸っぱい匂いでツブツブが混じっていることもあります。
もし、赤いジャムのような血便や黒い便、白っぽい便が出た場合は、何か異常がおきている可能性もあるので便を持って先生に診てもらいましょう。
赤ちゃんの肌のこと
1)新生児にきび 突然現れることがある乳児性湿疹
生後1か月までに多い乳児湿疹の一つで、大人のにきびのように赤い湿疹が頬やおでこにできます。赤ちゃんは皮脂の分泌が多いため、それが毛穴に詰まるとにきび様の湿疹ができます。
入浴の際に石鹸できれいに洗顔をして、ケアするようにしましょう。しっかり洗って皮脂を落とすことが予防のポイントです。
2) 乳児脂漏性湿疹 皮脂の多い赤ちゃんは発症しやすいです
生後4か月頃までに多い乳児湿疹です。顔や頭に黄色っぽいかさぶたのような湿疹ができます。湿疹に加えて炎症を起こすと、赤く腫れたり膿んでくることもあります。乳児脂漏性湿疹も皮脂の多い赤ちゃんの皮膚が原因とされています。
沐浴で身体をきれいにして、爪を小まめにカットしてあげましょう
入浴時にしっかりと石鹸で洗い流し、かさぶた部分は入浴前にあらかじめオイルで湿潤させておくと取れやすいです。石鹸の刺激や赤ちゃんが自分の爪で引っかいたりすると患部が悪化するので、低刺激の赤ちゃん用の石鹸を使うことと、赤ちゃんの爪はまめに切ってあげるようにしましょう。
乳児湿疹のケアの基本は、石鹸で綺麗に洗い流してあげることと、顔を爪で傷つけないようにしてあげること、また湿疹がひどくていつまでも治らない場合は、小児科で薬を処方してもらうことが大切です。
3) おしりかぶれ デリケートなお尻まわりだからおむつ交換は小まめに
赤ちゃんはうんちとおしっこの回数が多いので、おしりかぶれを起こしやすいです。なるべくマメにオムツを替えてあげることと、乾かしてからオムツをして蒸れないようにしてあげることが大切です。
おしりかぶれがひどいときは、濡れたコットンで優しく拭いてゴシゴシ拭かないようにします。また、保湿クリームを塗って保護してあげてください。おしりかぶれの薬は原因によって違うので、市販のものをつけてもよくならない場合は、早めに病院を受診しましょう。
赤ちゃんのお風呂 一番風呂で温めが基本
生後1か月間は感染の恐れがあるため沐浴をおこなっていましたが、1か月を過ぎると大人と同じお風呂に入ることができます。ただし、一番風呂に入れてあげることと、赤ちゃんの皮膚はまだ薄いので熱すぎるお湯や長風呂は避けましょう。
赤ちゃんの衣服 動きやすいコンビ服に
手足をバタバタさせて活発になるので、股の部分が分かれていて、足を動かしてもはだけないコンビ肌着を着せてあげましょう。
まだまだ寒さや暑さには弱いので、ヒーターやクーラーで室内の温度調節をきちんとしてあげて、夏は1枚、冬は2枚程度の衣服でちょうど心地よくなるよう調節してあげましょう。
赤ちゃんの外出 短時間を外で過ごしてみましょう
1か月健診が済んだら、そろそろ外気欲や日光浴をしましょう。ただし、夏や冬は暑すぎる時間帯や寒すぎる時間帯は避けて、短時間からスタートさせましょう。ママの体も完全ではないので、人ごみや長時間の外出は避けましょう。
育児はゆっくり自分たちのペースで
いかがでしたか?生後1か月は、ママもまだまだ育児に手探りの状態なので、色々な不安や心配なことが多いかもしれません。ママの心や体も産後でまだ不安定になることもあります。
ですが育児に正解はなく、その子なりにゆっくりと成長してくれます。あまり心配しすぎず、自分たちのペースで育児を楽しめるといいですね。しんどくなってしまったときは、迷わず生まれた産院でも、行政の育児サポートセンターでも相談に行って、一人で悩まないようにしてくださいね。