赤ちゃんの下痢うんち。正常か病気か、どう見分けたらよい?

赤ちゃんの下痢の見分け方

生後間もない赤ちゃんの便は柔らかく、1日に何度も排便します。母乳の時期は特に柔らかい便が続きますが、それは心配することではありません。ただ、病気が原因の下痢の可能性もありますから、気をつけておきたいところ。そこで、赤ちゃんの便の状態や回数、安心な下痢と心配な下痢の見分け方をまとめました。

下痢とは?

食べたものは胃や小腸で分解・吸収がおこなわれて、身体の栄養分になります。吸収されなかったものは大腸に送られて、腸の中の細胞と一緒に便となって出てきます。

胃腸での消化吸収が不十分だと下痢になる

ところが食べたものが胃や腸で十分に吸収されず大腸に送られると、下痢便となって出てきます。水っぽい便や液状の便などを下痢といい、普通の便よりも柔らかい状態を軟便といいます。

ただ母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんは固形物を取っていないため、やわらかいままの便です。赤ちゃんの機嫌がよく、ほかに気になる症状がなければ心配はいりません。

【下痢かどうかはここをチェック!】

  • 便の回数
    赤ちゃんのころは1日に4~5回もの排便することがあります。ただ回数には個人差があり、早くから1日に1~2回だけという子もいれば、多い子では1日に10回もするというケースがあります。普段よりも多ければ、何らかの原因で下痢を起こしていると考えます。
  • 便の状態
    母乳やミルクだけの時期の便は水のような柔らかい便です。
    離乳食が始まって少しずつ固形物を取り始めると、便は固まっていきます。普段は便が固まっているのに、ゆるい便や水のような便が出たら下痢と考えていいでしょう。

以下の点をチェックして、該当する場合や気になる場合は小児科医を受診しましょう。

□便に血が混じっている

□白くて水っぽい便

□下痢(普段よりも回数が多い状態)が何日も続いている

□いつもより回数が多い

□機嫌が悪い

□激しく泣く

□いつもと便の色が違う

心配なし。安心な下痢とは

母乳の赤ちゃん

母乳時期の赤ちゃんの下痢は、あまり心配することはありません。機嫌がよければ様子を見てあげましょう。ただし、やわらかい便がおむつについたままでいると、おむつかぶれの原因になります。おむつはこまめに替えてあげてください。

体質的な下痢

赤ちゃんにも便秘体質の子と下痢体質(便がゆるいタイプ)の子がいます。普段からゆるいタイプなら、あまり心配はいりません。ただ、消化が悪いものを食べさせないように気をつけてあげましょう。

かぜによる下痢

一般的なかぜのウイルスに感染して下痢をすることがあります。鼻水がひどい、熱がある、嘔吐するなどほかの症状がある場合は、小児科医を受診しましょう。

すぐに受診すべき下痢は!?

すぐに医師の診察を受けるべき下痢には、次のものがあります。家族にも感染するので、早く受診しましょう。

ロタウイルス感染性胃腸炎

冬に多く流行る感染力の強い病気で、特に6ヶ月~2歳くらいの子どもはよく感染します。

  • 便の状態
    白っぽくて水のような便(米のとぎ汁のような状態)が激しく何度も出る
    ・下痢の回数が多い
    ・すっぱいにおいがする
  • 注意点
    脱水症状防止にイオン水や電解質の飲料水を
    激しく嘔吐と下痢を繰り返すので、脱水症状を起こす可能性があります。電解質バランスが崩れているので、電解質を補充する飲み物(電解質を含むイオン水)や湯冷まし、ミルクを少しずつ与えます。一度に多く与えると嘔吐して出してしまうので、少しずつにしましょう。嘔吐で水分が十分に取れない場合は点滴を受けます。
    ウイルス感染対策に手洗い消毒は大切です
    ウイルスは嘔吐物や便に混じって広がっていきます。おむつや着替えをさせた場合は、よく手を洗う、消毒をするなど感染防止に心がけましょう。

ノロウイルス感染症

初冬に流行します。症状や対処法はロタウイルスと同じです。

カンピロバクター腸炎(キャンピロバクター腸炎)

生(なま)の鶏肉や豚肉、牛肉などを食べることで起こる腸炎です。赤ちゃんに生の肉を食べさせることはないと思いますが、離乳食の調理で十分に火が通っていないと起こす可能性があります。また、井戸水や生水にも気をつけましょう。

ペットの便から感染することもあります。犬や猫、小鳥などを飼っているご家庭では、ペットの便をさわった手で赤ちゃんの世話をしないように気をつけてください。

    • 便の状態
      ・激しい下痢
      ・においがきつい
      ・粘液の混じった便
    • 他の症状
      ・腹痛
      ・発熱

細菌による食中毒

ブドウ球菌、サルモネラ菌、ボツリヌス菌、病原性大腸菌(0-157)などによる感染で下痢が起こります。特に赤ちゃんはハチミツを食べることでボツリヌス菌に感染するケースがあります。1歳を過ぎるまでは使わないようにしましょう。

  • 症状
    激しい下痢
    腹痛
    嘔吐

まとめ

下痢中のおしりケアはこまめに下痢で気をつけたいのは、”脱水症状”と”おむつかぶれ”です。ひどくならないうちに小児科医を受診しましょう。おむつ交換の際のおしり拭きは、ウエットティッシュなどでゴシゴシこすらず、水やぬるま湯で洗い流してあげましょう。離乳食を一時的に中断するのはもちろんのこと、こまめな水分補給も欠かせません。離乳食を再開する際には、医師の診断でOKが出てからにします。

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