赤ちゃんのうんちチェックは大事。健康のバロメーターです
赤ちゃんは、生まれてから離乳食が完了する頃までは、大人とは食べ物や腸内環境が違うためうんちの色が違っています。そのため、赤ちゃんが健康なときのうんちの色や、そうでないときのうんちの色はきちんと知っておくことが大切です。
月齢別の赤ちゃんのうんちは?
また、うんちは赤ちゃんの毎日の健康状態のバロメーターになるものです。必ず毎日チェックして、いつもと比べてどうかを見てあげることが大切ですね。
0か月~4か月の赤ちゃんのうんち
生まれた直後やおっぱいを飲み始めた頃などの時期によって、うんちの状態は大きく変化します。私たち大人とは違った色や形、においをしているため、その都度驚かないためにも前もって知っておきましょう。
生まれたての赤ちゃんは、黒っぽいうんちを出します
赤ちゃんは、生まれた直後から1日目は「胎便」といわれる黒くて粘りのあるうんちをします。胎便の主な成分は、腸の粘液やカス、飲んだ羊水などで、いわゆる食べ物のカスは含まれていません。
母乳やミルクが始まると徐々に薄い黄色の乳便に変化
その後は淡い黄色~鮮やかな黄色、緑色っぽい色のうんちをすることもあります。においは無臭かやや酸味のあるにおいがします。
回数は月齢が低いほど多く、母乳のたびにうんちをする子もいます。成長とともに回数は減っていきますが個人差があり1日1回の子もいれば5回以上する子もいます。母乳やミルクの回数が多ければ当然うんちの回数は多くなりますし、ミルクの子より母乳の子の方がうんちの回数は多い傾向があります。
うんちの硬さは1~2か月の頃はまだゆるくて水っぽいですが、少しずつ軟かいうんちをするようになります。
5か月~8か月の赤ちゃんのうんち
この頃から離乳食が始まるので、うんちの性状も少しずつ変化していきます。鮮やかな黄色だったうんちの色は茶色っぽくなり、においも大人と似てきます。
食べ物の消化が始まり、やや硬めのうんちに。色やにおいも変わります。
硬さも出てきて形のあるうんちになってきますが、離乳食が始まった頃は、下痢をしてしまったり、食べ物が消化せずそのまま出てきたりすることもあります。回数も1日1~3回と徐々に減っていきます。
9か月以降の赤ちゃんのうんち
離乳食が完了期に近づいてくると、さらにうんちの色や形、においも大人と同じようになっていきます。色は茶色いことが多いですが、かぼちゃを食べた次の日はやや黄色っぽくなったりすることもあります。
形や硬さもバナナ状のうんち。踏ん張る様子も出てきます
形が整ったうんちをするようになり、「ウーン」ときばるような仕草を見せてくれるようになります。においもますます出てきて大人の便に近づいていきます。回数も1日1回など、その子なりのペースで習慣化されていきます。
健康なうんちの色とそうでない色は?
【健康なうんちの色】…「黄色」「緑色」「茶色」
離乳食が始まるまでの赤ちゃんのうんちは、黄色い胆汁の色がそのままうんちの色になるので、鮮やかな黄色や淡い黄色のうんちをします。
濃いめの黄色や緑色のうんちは、腸内での酸化によるもの
場合によっては、うんちが濃い黄色や緑色になることがありますが、これはうんちが腸内で酸化することで起こるもので問題はありません。特に母乳の赤ちゃんは、乳酸菌が多くうんちが酸化されやすいので濃い黄色や緑色になることがあります。
離乳食が始まり消化能力も上がってくると、黄土色~茶色っぽい大人と同じようなうんちの色になっていきます。
【気をつけたいうんちの色】…「赤色」「黒色」「白色」
明かにいつもの黄色っぽいうんちとは違った色がオムツについていたら、注意して確認しましょう。思わぬ病気にかかっている可能性があります。
イチゴジャムのようなうんちは血便かも?
離乳食で赤い野菜ジュースや人参、トマトなどを食べたときはうんちが赤っぽくなることもありますが、赤い出血がついたうんちやイチゴジャムのようなうんちをしたときは、腸内や肛門近くで出血して血便が出ている可能性があります。
腸内の病気の場合、うんちが黒色に……
黒いうんちは腸の奥の方で出血していて、腸内を通過する間に赤い血が酸化して黒くなっている可能性があります。この場合も注意が必要です。腸内で出血する原因は、O-157やサルモネラ菌など細菌性の腸炎の感染や腸重責症という病気の可能性があるので、ただちに便を持って病院へ行く必要があります。
うんちが白は、先天性胆道閉鎖症かロタウイルス
白いうんちは、本来、うんちは肝臓から出る胆汁が混じって黄色くなるはずが、何らかの理由で混ざっていない可能性があります。原因で一番心配なのは、先天性胆道閉鎖症です。
また、嘔吐や激しい下痢、発熱をともなうロタウイルス感染症に感染すると、白~灰色のお米のとぎ汁のような下痢便が出ることがあります。いずれにせよ、白いうんちが出た場合は便を持ってただちに小児科を受診することが大切です。
小児科を受診するときに注意することは?
「赤色」「黒色」「白色」のうんちが出たら、ただちに小児科を受診する必要がありますが、うんちの色以外にも合わせて医師に伝えるべきことがあります。
【医師に伝えること】
- 赤ちゃんの様子や機嫌はいつもと比べてどうか
- 赤ちゃんの食欲はどうか
- うんちの回数や硬さはどうか
- うんちの色以外に気になる症状はないか
また、気になるうんちが出たら必ず病院に持参するようにします。
うんちを持って行くときの注意点
赤ちゃんの病気を診断してもらうときには、うんちの状態も大切な情報源となります。そのため明らかにいつもと違ったうんちがでたなら、家で交換したオムツは病院に持っていき、医師に見てもらうように準備します。
しっかり封をして、状態の新しいものを持参して
うんちがついたオムツのままビニール袋に入れてしっかり封をして病院に持っていきます。時間が経つとうんちの形や色が変化するので、すぐに病院を受診します。
うんちを触った人は、きれいに手を洗ってから病院に来るようにしてください。
感染のリスクがあるので、持っていったうんちを病院のイスなどに置いてはいけません。
赤ちゃんのうんちの様子は、常に意識しておきましょう
赤ちゃんのうんちは毎日の機嫌と同じように、健康状態を見るバロメーターです。食べたものがきちんと消化されているか、腸内の環境はどうか、体調の変化はないかなどうんちを見れば分かります。
赤ちゃんのうんちが健康かどうかを見るためには、まず赤ちゃんのいつものうんちの色や回数、硬さ、色をきちんと把握しておくことが大切ですね。そして、いつもと比べてなにか変だなと感じた場合は、さらに様子を注意深く見て、病院に受診が必要なときはすぐに受診するようにしましょう。