産後しばらくは、免疫のおかげで病気にかからない
赤ちゃんは生まれてしばらくの間、ママからもらった免疫があるので風邪を引きにくい状態ですが、生後半年を過ぎたあたりから発熱などの症状が見られるようになります。
病気になり始めるのは産後半年ほど経過したくらいから
赤ちゃんが初めて高熱を出す病気として、よく知られているのが”突発性発疹”です。今まで風邪など引かなかった我が子が、急に発熱したり、元気がなかったりするとママは慌ててしまいますが、その原因や症状、対策を知っていれば慌てる必要はありません。ママができる対処法を知っておくようにしましょう。
突発性発疹はどんな病気?
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型やヒトヘルペスウイルス7型に感染することで起こる感染症で、感染源は主に家族からです。生後4~5か月~1歳までの間に、ほとんどの赤ちゃんが感染するよくある病気の一つです。
一度かかると免疫ができるので再度かかることはありませんが、ヒトヘルペスウイルス6型と7型に2回かかることはあります。
突発性発疹の症状や合併症
突発性発疹の症状は、38度~40度の高熱が2~4日のあいだ突然続くことから始まります。咳や鼻水など風邪の症状はなく、高熱の割に元気にしていることが多いのが特徴です。その後、熱が下がったと同時に、全身に赤い発疹が出ることで診断がつけられます。
発疹はおへそを中心とした体じゅうに現れるものの、手足にはあまり見られません。顔に発疹が出る場合もありますが、2日くらいで発疹はきれいに消えてしまい跡が残ることはないでしょう。発疹に痛みや痒みもありません。
合併症として下痢など胃腸炎の症状が出ますが、食欲は比較的あります。ミルクや離乳食なら、7割くらいは食べられるようです。
高熱によっては熱性けいれんを引き起こすケースがあり、まれに脳症や劇症肝炎にまで悪化することもあります。他には高熱や下痢によって脱水症を起こしてしまいますので、水分補給はこまめに行なう必要があります。
突発性発疹の治療
突発性発疹の治療は特にありません。予防のための予防接種や特効薬もありません。基本的には、高熱に対して解熱剤を使用する程度で、十分な安静と睡眠で経過観察をします。
大切なのは脱水症状の予防です
脱水を予防するために、こまめな水分補給(電解質イオン飲料、母乳)を行なうことが大切です。
ただし熱性けいれん(ひきつけ)を起こしたときや、水分や食事が摂れず脱水が疑われるとき、ぐったりしている、高熱が続くときなどはすぐに受診をしましょう。
家でできる対処法
突発性発疹のときに家でできる対処法について、知っておきましょう。
突発性発疹のときの対応
- 初期症状は高熱なので、症状が出た段階で小児科を受診します。
- 解熱剤などのお薬をもらう。家では嫌がらなければ、冷えピタや冷タオルで冷やしてあげます。
- 発熱の推移や食欲、機嫌、熱性けいれんの有無などを観察します。熱がある間は、外出や保育園はお休みして家で安静に過ごします。
- 水分摂取に注意し、離乳食、母乳、ミルク、電解質イオン飲料、果汁などを与えます。
下痢があるときは、脱水やお尻かぶれに注意してあげてください。
汗をかいているときは、着替えは小まめにおこない着せすぎには注意しましょう。機嫌がいいなら短時間の入浴も可能ですが、タオルで拭いてあげるくらいでよいでしょう。 - 熱性けいれんを起こす、高熱が続く、ぐったりしている、水分や食事を摂れないなどのときは再度小児科を受診しましょう。
保育園への登園は解熱後1日が経過してから
突発性発疹は子ども同士の感染は少ないですが、保育園の再開は「解熱後1日以上経過して、全身症状がよくなってから」です。保育園によっては医師の診断書が必要な場合もあるので、保育園に事前に電話をして対応を確認すると安心でしょう。
熱性けいれんを起こしたときの対応
突発性発疹は、熱性けいれんを起こしやすい年齢であることや高熱が出ることから引き起こしやすいと言われています。初めて熱性けいれんを起こすと慌ててしまいますが、命が危険になることはありません。冷静に対応できるようにしておきましょう。
- 安全の確保
けいれんを起こしたら時間を確認し、安全で平らな場所で寝かせます。枕などはしません。 - 呼吸の確保
衣服を緩めて呼吸がしやすいようにしてあげます。吐いたものが喉につまらないように顔、もしくは体全体を横向きにします。吐いている場合は、吐物を拭いてあげてください。 - 観察を続ける
どんなけいれんを起こしているか、どれ位の時間けいれんしているか、唇や顔が青くなっていないか(チアノーゼ)などを見てあげます。体温も計ります。 - 病院への搬送
熱性けいれんは、5分以内に治まることが多いですが、5分以上続く場合は救急搬送をしてもらう必要があります。 - けいれん後
けいれんが治まったら、名前を呼んで意識を確認しましょう。赤ちゃんは疲れてそのまま眠ってしまうこともありますが、問題ありません。目が覚めてからの意識はしっかり確認してください。もし、意識がはっきりしない場合や嘔吐、頭を痛がる、麻痺があるなどのときは、救急要請をしてください。
熱性けいれんのときにしてはいけないこと
- けいれんの間に大きな声で名前を呼ぶ
- けいれんのときに赤ちゃんの体を揺すったり刺激をする
- 口の中にタオルをかませたりする
冷静さを保って対応や観察をしましょう
突発性発疹は、赤ちゃんにとって初めての高熱だったり、発疹が出たりしてママが戸惑うことも多いですが、ほとんどの赤ちゃんが通るポピュラーな病気です。まずはママとパパが落ち着いて対応できるようにすることが大切です。
発熱時のお家での過ごし方や脱水、熱性けいれんの時の対処法を知っていれば怖い病気ではありません。大切な我が子を守るためにも、しっかり観察できるようにしてあげましょう。