赤ちゃんに便秘は多い?その原因と対処法

あかちゃんの気になる便秘

赤ちゃんのうんちがなかなか出ないと心配になりますよね。育児本やインターネットの情報では、赤ちゃんはうんちの回数が多いと書いてあるのに、どうしてうちの子は出ないのかしらと疑問に思うこともあると思います。

赤ちゃんの便秘は、よくあることなんです

でも、赤ちゃんの便秘は比較的よくある症状で、月齢によってその原因や対処法も違います。また、ママが便秘だと思っていてもその子のペースであり便秘ではない場合や、便秘だと思っていなくても便秘の症状が出ている場合もあります。今回は、便秘の見分け方や赤ちゃんに起きやすい便秘の原因と対処法についてお話ししたいと思います。

便秘とはどういう状態をいうの?

便秘は便が硬くなって出にくい状態をいいますが、便の回数には個人差があるので便が出ない日数だけで便秘と決めることはできません。例えば、2~3日に1回の排便でも、それが習慣化されスムーズに便が出ている場合は便秘とはいえません。

一方で、毎日便が出ていても便を出すときに苦しそうにしている、痛そうにしている、食欲がない、お腹が張っているなどの症状がある場合は便秘と言えます。

排便の様子やお腹の張り具合、食欲の観察をしてみましょう

そのため、我が子が便秘かもしれないと感じたときは、まず便を出すときの状態やお腹の張り、食欲をみてください。排便時に何らかのトラブルがある場合は便秘の可能性があります。

また、特に排便に関する問題がなくても、目安として3~5日以上便が出ない日が続いているという場合も便秘と考えてよいでしょう。

赤ちゃんが便秘になる原因と対策は?

では赤ちゃんが便秘になる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。また、赤ちゃんの正常な排便状態についても知っておきましょう。

赤ちゃんの正常な排便とは?

赤ちゃんの便回数や便の状態は、成長とともに徐々に変わっていきます。生まれた直後~離乳食が始まる前までは、母乳やミルクなど水分しか摂りません。その上、消化吸収能力も未熟で肛門周囲の筋肉もまだ弱いので、ミルクを飲めばその反射で便が出るという子がほとんどです。

一日に5回も10回も排便。母乳のほうが回数は多い

そのため、1日に5~10回くらいする子もいれば、赤ちゃんによっては1日2~3回という子もいます。個人差にもよりますが、比較的母乳育児の赤ちゃんの方が、消化がよいため便回数は多い傾向にあります。

また、便のかたちも最初は水っぽい便が普通ですが、月齢が進み消化吸収能力が上がるとともに泥状~軟便になっていきます。

離乳食スタートで、便の形や臭いが変わってきます

離乳食が始まる5~6か月頃以降になり徐々に固形物が摂れるようになってくると、形のある便をするようになります。回数も1日1回~多い子で2~3回になっていきますが、赤ちゃんによっては2~3日に1回の子もいます。

この頃になるとお腹の力もついてきて、便意があると「うーん」ときばるような仕草をみせてくれるようになります。

赤ちゃんが便秘になる原因と対策は?

離乳食前の赤ちゃんの便秘の原因と対策

飲む母乳やミルクの量が排便に関係しています

母乳やミルクの量が便秘に関係離乳食前の赤ちゃんの場合、便秘の原因としてまず考えられるのは母乳やミルクの不足です。飲む量が少ないことで、便のかさが少ない可能性があるのです。赤ちゃんの体重の増え方やおしっこの回数など総合的に見て、足りないようなら母乳やミルク回数増やしてあげるとよいでしょう。

母乳の分泌がまだ十分ではない間は、粉ミルクか麦茶、砂糖水を少量あげても大丈夫です。このとき、母乳には影響がない程度の量(50cc以下)をお風呂上りや外出帰りに何度かあげるとよいでしょう。

お腹の”のの字”マッサージや、綿棒浣腸で対策を

他にも、この頃の赤ちゃんの腸やお腹の筋肉は未発達なので、便がある程度、軟便状なってくると便を押し出す力が弱いことで便秘傾向になることがあります。その場合はお腹をのの字マッサージしてあげたり、それでも出なければ綿棒浣腸をしてもよいでしょう。

母乳の栄養を意識した食生活も改善に有効です

また、赤ちゃんの栄養の元である母乳の質をよくするために、ママ自身が乳酸菌や発酵食品など腸内環境を整える食べ物を意識して食べることも赤ちゃんの便秘には有効です。

それでも出なければオリゴ糖をミルクに混ぜたり、赤ちゃん用の便秘薬として知られるマルツエキスを利用することもできますが、月齢が低い間は、便秘の原因に先天的な腸や肛門の病気が隠れていることもあるので、便秘が続く場合はまず医師に相談してからにしましょう。

離乳食開始以降の赤ちゃんの便秘の原因と対策

離乳食が始まると赤ちゃんの便は大人と同じように軟便~しっかり形のある普通便をするようになります。形になってくると、食事内容によっては便が硬くなってしまい、いきむ力の弱い赤ちゃんは便秘になりやすくなります。

離乳食で大腸菌が増える腸内環境に変化

また、大人と同じような食べ物が食べられるようになってくると腸内のビフィズス菌が少なくなって、大腸菌が増えていきます。そうすると腸内環境が乱れて便秘になりやすくなるのです。

便を意識して食事の栄養を考えましょう

離乳食のメニュー内容で便秘対策を離乳食の回数や量が増えてきたら、積極的に野菜や果物、大豆、乳製品など品数を多くバランスよく食べさせてあげるようにしましょう。ヨーグルトや納豆、りんごなど腸内環境を整えてくれる食品やバナナやトマト、人参、オレンジなど便を柔らかくしてくれる食品、わかめやひじき、切干大根など便のかさを増やしてくれる食品などが便秘には効果的です。

また、離乳にともない水分不足にならないよう適宜、母乳やミルク、果汁、麦茶などを飲ませてあげるようにします。

生活リズム作りが体内環境作りに大切です

日中の活動や昼寝、夜眠る時間など毎日の生活を規則正しく整えてあげることもとても大切です。赤ちゃんは規則正しい生活を送ることで、毎朝同じ時間に排便をするという排便習慣が整っていくのです。

気をつけたい便秘のサイン

便秘は赤ちゃんにはよくある症状ですが、場合によっては何か病気が隠れているケースや病院に行った方がよい場合もあります。生活や食事で改善する便秘なのか、病院に行った方がよいのかしっかり見極められるようにしましょう。

【病院に行った方がよい便秘】

  • 生活習慣や食事内容を整えてもなかなか良くならない
  • 体重の増えが悪く、おしっこの量も少ない
  • 食欲がない、お腹を痛がる、機嫌が悪い、激しく泣くなどの症状がある
  • 便をするときに痛がる、便に血がついている
  • これらの症状は医師による治療が必要な場合もあるので、必ず病院に行くようにしましょう。

赤ちゃんは便秘で苦しくても言葉では表現できないので、ママも心配になるでしょう。しかし、きちんと対策をしてあげれば成長ともによくなっていきます。赤ちゃんの排便記録をつけながら、根気よく対処してあげることが大切です。また、どうしてもよくならない場合や、気になる症状がある場合は迷わず病院にいくようにしましょう。

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