こんなにたくさん!? 予防注射をすべて受けるのは大変!
前ページで0歳児が受ける予防接種についてご説明しましたが、生後2ヶ月から1歳過ぎまでの間に、ヒブワクチンや四種混合ワクチン、小児用肺炎球菌などは4回、B型肝炎は3回など、多くの予防接種を数回受けなければいけません。特にヒブワクチンは生後6ヶ月までに4~8週間の間隔で3回接種(しかも他の予防接種とは6日間空ける)など細かく決められています。
これを1つずつ分けて受けるのは、赤ちゃんにとってもママにとっても大変です。そこでオススメなのが複数の予防接種を同時に受ける方法。単独で受けるのとどう違うのでしょうか?
- 単独接種のメリット・デメリット
「同時接種で副反応が出るかも知れない」という不安は軽減されますが、何度も通院することになります。それだけ忙しくなりますし、赤ちゃんの体調次第では期間内に受けられないという可能性も出てきます。
- 同時接種のメリット・デメリット
「通院回数が減らせる」「接種もれがなくなる」「赤ちゃんの精神的・身体的な負担が少ない」などのメリットがあります。特にインフルエンザなどの感染症が流行する時期に接種時期が重なる場合は、少しでも通院する機会を減らしたいものです。また、赤ちゃんに痛い思いをさせる回数を少なくしてあげられるのも同時接種のメリットです。
ただまれに、同時接種で重い副反応が出るケースもあります。心配な場合は医師や保健師さんに相談してみましょう。
同時に予防接種を行なうのがおすすめです
結論としては同時接種による副反応は少なく、その他のメリットを考えても同時接種がおすすめです。
同時接種の一例
ワクチン | 接種回数 | 生後2ヶ月 | 生後3ヶ月 | 生後4ヶ月 | 生後5ヶ月 | 生後6ヶ月 | 1歳以降 |
ヒブ | 3回+追加1回 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 追加で1回 | ||
四種混合 | 3回+追加1回 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 追加で1回 | ||
BCG | 1回 | 1回 | |||||
小児用肺炎球菌 | 3回+追加1回 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 追加で1回 | ||
ロタウイルス | 2回または3回 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | |||
B型肝炎 | 2回+追加1回 | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
予防接種スケジュールを立てるコツ
同時接種で進めるにしてもうまくスケジュールを立てないと、「これ、受けてなかった!」とあわてることになります。そこで、接種スケジュールの立て方のポイントをご紹介します。
1.何をいつ接種すべきか、把握する……
赤ちゃんが生まれると、自治体から予防接種のお知らせが届きます。他にも地域の広報紙などで知らせているので、チェックしてみましょう。
2.かかりつけ医を見つける
予防接種は自治体の集団接種と、小児科医で受けるものがあります。小児科医で受ける場合は、自分で接種の申込み予約をしなければいけません。通いやすいところで、かつ信頼できる医院を探しておきましょう。どこがいいかわからない場合は保健師さんやママ友に聞いてみるといいですよ。
3.保健師さんと相談する
今は9割以上が同時接種で接種を受けています。ただ、その組み合わせは自分で決めないといけません。何と何を組み合わせればいいのか、次の接種までの期間はどれくらい空ければいいのかなど、わからないことばかりです。そんなときは保健師さんに相談してみましょう。小児科医でも相談に乗ってもらえます。ひとりで悩まないことが大切です。
4.集団接種など日時が限定されているものの日をおさえる
保健センターや公民館などで集団で受けられるものがあります。日時は限定されますが、その日程を先におさえると、他の接種スケジュールが立てやすくなります。
5.流行する前に受ける
接種ピークが冬になりやすい夏に生まれた赤ちゃんの場合、要注意です。インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行する時期に接種が重なると、「予防接種に行って違う病気に感染した」という事態になりかねません。
小児科医院の中には、診察時間外に予防接種を行なっているケースがあるので、聞いてみましょう。
6.子どもの体調次第で予定変更もあり~柔軟に対応しよう
どれだけ細かくスケジュールを立てても、その通りにはいかないものです。「接種予定日に下痢や発熱でキャンセル」というのはよくあること。あくまでも予定は未定。柔軟に対応できるよう、余裕を持ってスケジュールを考えましょう。
予防注射は規定が変わることがあります
国の方針が変わると、接種内容などの規定も同時に変わります。そのため、おばあちゃんや先 輩ママの意見が参考にならないこともしばしば……。また、初めての赤ちゃんではない場合でも、上の子と年が離れている場合は、当時と接種事情が異なってい る可能性があります。医師や保健師など、最新の情報を知っている人の意見を必ず聞くようにしてください。
スムーズな予防接種におすすめのスケジュール管理法
- スケジュールはプレママ時代から
ワクチンデビューは生後2ヶ月からですが、出産後は何が起こるかわかりません。ママ自身の体調が不調という可能性もありえます。
なので、出産前(プレママの段階)から接種スケジュールを考えておくと、本番になってスムーズに行動しやすいでしょう。もちろん早産や新生児の健康状態などさまざまなケースが考えられますが、気持ちの準備ができていると落ち着いて行動できますよ。
- アプリを利用!
予防接種のスケジュールを提案してくれるアプリやサイトの利用も、ひとつのアイディアです。
★予防接種スケジュールアプリ(無料)(「NPO法人VPDを知って子どもを守ろうの会」より)
管理が追いつかない予防接種スケジュールのサポートをしてくれます。
★予防接種リマインドサービス(「子どもと肺炎球菌.jp」より)
忘れてしまいがちな1歳からの予防接種スケジュールが届きます。
http://www.haienkyukin.jp/remind/index.html
接種当日の準備と注意点
当日の持ち物をチェックしましょう。
□ 接種券など(自治体が発行しているもの)
□ 診察券(小児科医で受ける場合)
□ 母子手帳
□ 健康保険証
□ 現金
□ 赤ちゃんの飲み物
□ ハンカチやタオル
□ 紙おむつ(お尻拭きやごみ袋も)
□ 着替え(嘔吐やおむつで汚れた場合に必要)
□ 抱っこひもなど
□ 寒い季節はバスタオルやミニ毛布など羽織るもの
当日のチェックポイント
接種前
□ 体調をチェック
熱がないかどうかだけでなく、下痢など便の様子などもチェックしておきます。下痢、せき、鼻水など気になる症状があれば医師に相談を。
□ 機嫌や食欲状態
体調が思わしくないときには、機嫌が悪かったり食欲がなかったりと普段と違った一面が見られるものです。ちょっとした変化を見逃さないように、赤ちゃんの様子を観察してください。
接種後
□ 接種後は安静にします。飲食は接種から30分後~がおすすめです。
□ 接種当日のお風呂はOKです。接種箇所をゴシゴシこすらないように気をつけて。
予防接種は大病から赤ちゃんを守るものです。接種もれのないようにスケジュールを立てて進めましょう。
※参考:ジャパンワクチン株式会社