育児休暇を取らず仕事復帰するという選択肢も……そのメリット・デメリットは?
育児休暇は、どうしても取らなければいけないというものではありません。さまざまな事情で、産休が終わったらすぐにでも職場復帰したい(しなければいけない)という人がいらっしゃいます。
育児休暇を取らない理由は人それぞれ
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専門職のため、代わりの人がいない
これはけっこう多いのではないでしょうか? 特別な資格や技術を持っていて、他にその業務ができる人がいない場合です。
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仕事を中断することで、キャリアの空白期間ができる
今まで積み上げてきたキャリアがある人は、育児休暇を取ることでキャリアの空白期間ができてしまいます。それがどれくらいのマイナスになるのか心配だと思います。職場にもよりますが、実際にキャリアは空白の期間ができても復帰後に働くことで問題はないようです。
技術職の人は「仕事の勘が鈍った」「腕が落ちた気がする」と感じる人もいますが、それも次第に戻っていきます。むしろ育児休暇中に資格を取得したり、専門の勉強をしたりと自分をレベルアップするいい機会ととらえれば、ブランクはマイナスになりません。前向きに考えてみてはどうでしょう。
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顧客を逃すのが心配
営業職などで自分の固定客がいる場合、産休・育休の間、お客様のコンタクトをどうするかが気になります。「休んでいる間に、ライバルに取られたらどうしよう?」「上司は任せておけって言うけれど、なんだか不安」という気持ちはわかります。
ですが、出産という人生での大事業なので、お客様に話して理解してもらうのもいい方法ですよ。復帰後は子育てを話題に、もっとお客様との距離が近くなることもあります。
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預けられる保育園がない
これは深刻な状況ですね。育児休暇が終了したらすぐに復帰できるように、出産前から保育園探しを始めておきましょう。
また、1歳児から入れたいという希望はなくても、地域内に保育園が少ない場合は早くから入園させないと、2歳、3歳になってからでは入れないというケースがあります。そういった地域の事情も早めにリサーチしておきたいですね。
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子育てが苦手・不安・息が詰まりそう
子どもが好きな人でも初めての子育ては戸惑うことが多いものです。「こんなはずじゃなかったのに……」と、がく然とするケースがあります。そんなとき、ママはつい自分を責めてしまいますが、決してご自身を責めないでくださいね。ひとりで思い詰めるのは、ママ自身にも赤ちゃんにとってもいいことではありません。
保育園に預けることで、昼間だけでも子どもの手が離れるのは親子ともにプラスになります。
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男性社員は育児休暇が取りにくい
前例がないという会社側の理由と、仕事を投げ出せないというパパの理由で、男性が育児休暇を取りにくい状況は、まだまだあるようです。そういう場合は1ヶ月だけとか2ヶ月だけ休暇を取ってもらうというのはどうでしょうか?
パパとママで育児休業分担の制度を活用!
「パパ・ママ育児休業プラス」という制度があり、これはママだけが育児休暇を取るのではなく、ママとパパが途中で交代して育休を取る場合は通常より2ヶ月多く休暇が取れるというものです。
例えば前半の6ヶ月間はママが育休を取り、残りをパパが取るということが可能です。通常の育児休暇は1歳の誕生日を迎えるまでの期間なので、延長をするには「特別な事情」が必要でした。しかし、この制度を使えば無条件で2ヶ月延長ができます。
ママが長く休めないという場合で、パパが2~3ヶ月仕事を休めるときは利用するといいかもしれませんね。
結論! 1歳から保育園に通わせるのはアリ?なし?
通わせるメリット
- 収入UP
育児休業給付金は給料の67%~50%ですが、ママが仕事に復帰することで満額の給料を確保できます。
- キャリアの空白期間を減らせる
今まで積み上げてきたキャリアの空白期間を減らせるので、将来の昇給や出世のマイナスにならないというメリットがあります。
- 日中の子育てから解放。精神的にプラスに
昼間だけでも子育てから解放されるので、精神的にプラスの面があります。
- 社会交流の場が広がる
ママ友ができたり、保育士さんのアドバイスを受けたりと、子育ての面でプラスになります。
- 子どもの日常に刺激が入る
子どもは早くから多くの友だちと触れることで、いい刺激を受けます。また、家庭ではできない遊びを体験したり、歯みがきなどの生活習慣が身についたりと、子どもにとってのプラス面があります。
通わせるデメリット
- 保育料の負担が大きい
保育料は公立の場合は自治体によって異なりますが、世帯の納税額で決まります。ママの収入だけで決まるわけではないので、要注意です。今までにない出費が増えることになります。
- 保育料以外の費用負担
保育園には着替えを多めに渡しておくために、家庭用以外の着替えや紙オムツなどが必要です。また、延長保育をお願いする場合は、さらに負担が増えます。
- 感染症の心配
1歳児は免疫力が低いため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
- 急な病気やけがの心配
急な発熱や保育園でのケガなどが増えます。そのために保育園からの呼び出しで急に仕事を早退したり休まなければならなかったりする可能性が出てきます。
保育園に通わせるかは、夫婦でしっかり話し合って決めよう
1歳から保育園に入れるかどうかに「正解」はありません。それぞれの家庭の状況によって変わってきます。まずはご夫婦をはじめ、家族ともよく話し合って協力し合える範囲でベストな方法を探っていきましょう。
もし保育園に通わせるなら、早めに情報収集を!
保育園に入れると決めたら、すぐにでも情報収集を始めましょう。1歳児の定員が少ない保育園では、希望する時期に入園できない可能性があります。また、受け入れてくれる保育園があったとしても、パパやママの通勤とは逆方向で送迎が大変というケースも起こり得ます。
少しでも負担が少なく、かつ子どもにとって快適な保育園が見つかるようにしたいですね。