言葉や物への関心が強くなる1歳児。「まだ意味が理解できないのでは?」なんて心配は無用です。1歳は言葉を覚え始める初期段階で、音の響きに興味を示し始める頃ですから、絵本の読み聞かせでさまざまな言葉の音を聞かせてあげるのは、よい刺激に繋がることでしょう。普段から1歳の赤ちゃんと接している保育士さんが選んだベスト10をご紹介します。
定番の絵本
『いないいないばあ』(松谷みよこ/作 童心社)
遊びを絵本の中で楽しめる一冊
「いない いない ばあ」は赤ちゃんが大好きな遊びです。その遊びが絵本の中で楽しめますから、ページをめくると子どもの目が輝きますよ!0歳児からでもOKのおすすめの絵本。「もう破れるほど、何度も読んでいます」と親子でファンの方が多いようです。
『はらぺこあおむし』(エリック・カール/作 偕成社)
鮮やかな色使いやトリックで、夢中になれる
こちらも定番中の定番。大人でもファンが多い絵本です。何と言っても色づかいが美しいことと、キャラクターの可愛さ、あおむしが変化する様子に子どもは夢中になります。楽しいトリックがあるのも、人気の秘密かもしれません。関連グッズが多いので、集めてみるといいですよ。
『じゃーじゃーびりびり』(まつい のりこ/作 偕成社)
音のリズムで言葉を自然に覚えられる
「ぶーぶー」「わんわん」「じゃあじゃあ」といった繰り返しのリズムを通して、言葉を覚えていきます。形や物の名前と関連づけられる点もおすすめポイント。0歳児から、もっと大きくなるまで楽しめる絵本です。赤ちゃんによって好きなページがはっきりしてきます。あなたのお子様は、どのページが気に入るでしょうか?
『だるまさんが』(かがくい ひろし/作 ブロンズ新社)
おなじみ「だるまさん」シリーズの第1弾。「だるまさんが……どてっ」「だるまさんが……ぷしゅ~」といったところで、子どもたちは大爆笑。保育園でも0歳児、1歳児クラスで大人気の絵本です。深く考えずに、だるまさんのユーモラスな動きと言葉を楽しんでみましょう。
動物が登場
『まてまてまて』(ましませつこ/作 こぐま社)
はいはいで追いかけごっこ。実際にしてみると楽しいかも!?
はいはいする赤ちゃんを追いかけるように、1ページずつ動物が増えていきます。1歳児は歩けるようになる時期ですが、まだまだはいはいで進むスピードのほうが早いというケースも。はいはいは、赤ちゃんが歩く行為に繋げる骨格形成の面でもとても大切です。親子で「まてまて」ごっこをするのも楽しいですよ。
『ぴょーん』(まつおか たつひで/作 ポプラ社)
飛びはねは子どももだいすき。はねる楽しさに気づけます
いろんな動物が出てきて「ぴよーん」と飛びはねます。単純なのですが、子どもはすぐにまねしてぴよーんと飛びはねます。お布団の上などで、ぴょんぴょん飛びはねて遊ぶのも楽しいですよ。0歳の赤ちゃんなら、抱きかかえて「ぴよーん」ってすると喜びます。
『もうねんね』(松谷みよこ/作 童心社)
寝りの時間にもってこい。みんな眠ることを教えてくれます
『ぴょーん』が動の絵本なら、こちらは静の絵本と言っていいでしょう。いぬ、ねこ……と次々と眠くなっておやすみなさいをしていきます。あくびをしてゆっくりと目をつぶって眠りに入ろうとしていく動物たちの様子にくぎ付けになるでしょう。なかなか眠ろうとしない子どもに対して、みんなねんねするんだよと促すうえでも、寝かしつけに最適の絵本です。
乗り物好きにおすすめ
『がたんごとんがたんごとん』(安西水丸/作 福音館書店)
身近なモノが登場。モノ遊びにつなげ、想像力をかき立てる一冊
「乗せてくださ~い」と、次々に乗客が増えていく楽しい絵本。汽車に乗り込むのはコップやスプーン、小動物など、赤ちゃんにとって身近なものばかりです。「がたんごとん」という音の繰り返しも喜びます。
ただ、喜ぶ年齢が子どもによって異なります。1歳で反応がなくても、大丈夫!2歳や3歳になってからはまる子もたくさんいますよ。
『でんしゃ』(バイロン・バートン/作 金の星社)
セリフがないから自由度満点。好きなように読んでストーリーづくりを
上の『がたんごとん』とは、またおもむきが違う作品です。セリフはほとんどありません。英語で1行「On the track」などと書いてあるだけ。そのまま読み聞かせてもいいのですが、ここは自由に物語を作ってみましょう。「どこに行くのかな~?」「カーブを曲がるよ」などとお話してあげると楽しいですよ。
親子で遊べる本
スキンシップを増やせる絵本。肌のぬくもりで愛情や安心感が伝えられます
さまざまな生き物の顔やからだがくっつく様子を描いている絵本。「くっついた」というところで、お子様のほっぺに顔とママやパパの顔をくっつけてあげると喜びますよ。肌と肌のふれあいでぬくもりを感じられるスキンシップにおすすめの一冊です。
1歳児の絵本の楽しみ方
1歳児はまだ絵本を読むという感覚ではなく、言葉のリズムを楽しんだり、ページごとに絵が変わるのを喜んだりします。そうして絵本を見る行為を繰り返し続けていく中で、少しずつ本が好きになっていきます。テレビやDVDなどの動画もいいですが、絵本の静止画をじっと見ることで、集中力が高まります。あまり硬く考えずに、絵本を通してスキンシップを楽しんでくださいね。