生後1ヶ月の赤ちゃんにまつわる”おしゃぶり”事情

吸啜(きゅうてつ)反射におしゃぶりがお役立ち

赤ちゃんのぐずりが頻繁なとき、おしゃぶりの利用を考えたことはありませんか? 生後1ヶ月の赤ちゃんに、おしゃぶりを与えてもよいのか、そもそもおしゃぶりを使うことはどうなの? 数々の疑問が頭に浮かんでしまいますね。

実は先輩ママでも、赤ちゃんのおしゃぶりについては肯定派、否定派に意見が分かれるところ。ましてや、はじめて育児を経験中のママなら迷ってしまうのも当然ですよね。

おしゃぶりを子育てに採り入れるかどうかを決める前に、それぞれの長所や短所、気をつけたい点などをしっかり理解しておきましょう。

赤ちゃんはどうしておしゃぶりを吸うの?

赤ちゃんには吸啜(きゅうてつ)反射という本能が備わっています。新生児期の赤ちゃんの唇に軽く触れただけでも、吸いつくような動作がみられますよね。それが吸啜反射です。これは赤ちゃんが母乳やミルクを飲むため、つまり生きていくために不可欠な反射と言えます。

おしゃぶりにはどんなメリットがあるの?

この本能により、赤ちゃんはおしゃぶりを吸うことができるのですが、いったい「おしゃぶり」のメリットとはどのようなものなのでしょうか? 以下にあげてみました。

  • 安心感を与えてくれる
  • 寝かしつけやぐずったときに重宝する
  • 鼻呼吸を促してくれる
  • ママのストレス軽減になる
  • 乳幼児突然死症候群(SIDS)発症のリスクを低くする

なんといってもおしゃぶりは、母乳やミルクを飲んでいるときのような安心感を与えてくれるというのは大きいですよね。寝かしつけや泣きやまないときに効果を発揮するのも、この安心感からと言われています。

また、「鼻呼吸を促す」については、おしゃぶりではその効果は得られないとする専門家の意見もあります。

もしもママが育児疲れを感じているなら、おしゃぶりを試してみるのもひとつの方法です。赤ちゃんも、ママがストレスを溜めているのを、敏感に感じ取ってしまうかもしれません。それよりも、少しでもママの負担を減らして、笑顔で赤ちゃんに接することができるほうが、赤ちゃんにとってもママにとっても、プラスとなるはずです。

乳幼児突然死症候群とおしゃぶりの関係とは?

肯定意見のなかでもご紹介しましたが、乳幼児突然死症候群、あまり聞き慣れない病名ですね。乳幼児突然死症候群とは、睡眠中に赤ちゃんが突然死してしまう、日本では生後2~6ヶ月の赤ちゃんに多く、約6000~7000人に1人の割合で発症している病気です。

この病気が発症する原因は明らかにされていませんが、米国小児科学会では、おしゃぶりが乳幼児突然死症候群の発症を軽減する効果があると発表しています。おしゃぶりの外側にある出っ張った持ち手部分が、赤ちゃんの顔に毛布や衣服がかかって窒息するのを防ぐためと言われています。

おしゃぶりのデメリットとは、どんなもの?

つぎに、おしゃぶりに否定的な意見をみていきましょう。

  • 歯並びが悪くなる
  • クセになるとやめるのが大変
  • 衛生的でない
  • 発語が遅れることも
  • 中耳炎になりやすい
  • 赤ちゃんの表情が読み取りにくい
  • コニュニケーション不足になりがち

……などがあげられています。

日本小児科学会では、睡眠時など長い期間おしゃぶりを使用していると、歯の噛み合わせに悪影響を及ぼすとしています。中耳炎になりやすいというのは、赤ちゃんの口を塞いでおしゃぶりを吸い続けることが、耳に悪い影響を与えるとうことです。

また赤ちゃんが言葉を覚えるためには、自分の発する声を自分の耳で聞くことも大切です。おしゃぶりを使用中は、言葉を発することができないので、発語が遅れてしまうことも。そのほかにも、おしゃぶりで赤ちゃんの顔が見えにくくなるため、表情や感情を読み取るのが難しいとも考えられています。

おしゃぶりを使用する時期は?

おしゃぶりを始めるのは生後1ヶ月~2ヶ月くらいからをめやすにしてください。それ以前から寝ぐずりに悩んでいる場合には、市販されている新生児用おしゃぶりを検討するとよいでしょう。

早すぎる使用は乳頭混乱に…。2歳半までにはやめたい?

ですが、母乳の場合はあまり早い時期におしゃぶりを与えてしまうと、母乳よりも吸いやすいおしゃぶりばかりを吸うようになる、乳頭混乱を起こしてしまいかねません。おしゃぶりを与えるのは、母乳をうまく吸えるようになってからにしてください。

また赤ちゃんが寝てしまったら、そっとおしゃぶりを外し、よく洗い消毒をしておきましょう。

おしゃぶりは歯並びへの影響を考えて、1歳くらいまでには日常的に使用するのは控えるようにしてください。遅くとも、2歳半までには完全にやめたいところです。

おしゃぶり苦手な赤ちゃんに使用したい…

ただ、中にはおしゃぶりが苦手な赤ちゃんもいます。おしゃぶりを嫌がる場合、くわえさせても吐き出してしまう場合は、無理強いをしないようにしてください。日をおいて再チャレンジしてみるなど工夫してみましょう。

おしゃぶりの種類もいろいろ

市販されているおしゃぶりの中には、ラテックスアレルギーに配慮した材質を使用したものや、歯並びに影響がでないような工夫のなされているもの。ユニークなデザインで見た目も楽しめるもの、電子レンジでも消毒できる製品などさまざまなおしゃぶりがでています。

哺乳瓶とどうメーカーのおしゃぶりが使いやすい

ミルクを飲んでいる赤ちゃんなら、哺乳瓶と同じメーカーのおしゃぶりを使うと、受け入れてくれやすいようです。赤ちゃんのお気に入りを探してみましょう。

およそ生後1ヶ月の赤ちゃんで「ぐずって寝かしつけが大変」などの理由があれば、おしゃぶりは与えてもOKです。毎日赤ちゃんと向き合わなければならないママが、大きなストレスを抱えていて、イライラしながら赤ちゃんに接してしまうようでは元も子もありません。

ママも笑顔で赤ちゃんと過ごせるように、時間や期間を決めて、その範囲内で上手に利用しましょう。きっと、おしゃぶりは心強い味方となってくれるはずですよ。

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