生後1ヶ月の赤ちゃんの嘔吐!病的なものとの違いとは?

新生児期の嘔吐

赤ちゃんはよく吐いてしまうもの……と知ってはいても、目の前で嘔吐している姿を見ると、やっぱり心配になることもありますよね。
嘔吐してしまうことが多い生後1ヶ月ごろの赤ちゃん。どのようなときに吐くことが多いのでしょうか?

なぜ赤ちゃんは嘔吐しやすいの?

生後1ヶ月から3ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、嘔吐しやすい時期と言われています。その理由として、赤ちゃんの胃の形は、大人の胃のようにカーブした形ではなく、比較的まっすぐな形で胃の入り口である噴門もゆるいからです。また、お腹の筋肉も未発達なので、ちょっとした刺激からも吐き戻ししやすいのです。

吐き戻しの中でも、口から垂れるように流れ出るものは「溢乳」と呼ばれ、ミルクを飲んだ後によく見られる生理的な現象です。こちらは、成長とともに胃の形や筋肉が発達してくるにつれ、おさまってくるものなので心配はいりません。

頻繁なときは嘔吐対策も試してみよう

もしも、赤ちゃんが頻繁に吐き戻しを起こすようなら、ミルクの量を少し減らしてみるのもひとつの方法です。赤ちゃんの様子を見ながら調節してみてください。

ミルクのあとは赤ちゃんの身体をそっと動かして

よく「ミルクを飲ませた後はゲップをさせて」と聞きますよね。ゲップをさせないままでいると、寝かせているときにゲップの空気と一緒にミルクも吐いてしまうからです。しかし、胃が未発達な赤ちゃんを、授乳直後に動かしたりすると、それが刺激となって嘔吐してしまうことも。いきなり抱き起こしたりせずに、できるだけそっと起こしてゲップをさせるようにしてください。

身体に傾斜をつける工夫で和らぐ可能性も

また、吐き戻しを予防するためのクッションなどで、赤ちゃんの上半身に傾斜をつけ高くして寝かせると、いくらかやわらぐこともあるようです。試してみてはいかがでしょうか。

赤ちゃんが吐いてしまった場合には、すみやかにガーゼなどの清潔な布でやさしく拭いてあげましょう。もしも、服が汚れてしまっていたら着替えをして、赤ちゃんが気分よく過ごせるようにしてあげてくださいね。

どんな場合に受診が必要?

気をつけたいのは、病的な要因からの嘔吐です。

肥厚性幽門狭窄症

そのひとつが肥厚性幽門狭窄症です。肥厚性幽門狭窄症は、生後2~3週間から3ヶ月くらいまでの赤ちゃんに発症します。胃の出口にある幽門の筋肉が肥大することにより、幽門自体が狭くなってしまい、飲んだミルクがスムーズに通ることができなくなり、吐き戻してしまう病気です。第1子の男の子に発症することが比較的多いと言われています。

  • 噴水のように吐いてしまう
  • 嘔吐の量が多い
  • 鼻からの吐き戻しもある以上のような症状がみられる場合には肥厚性幽門狭窄症の可能性もあります。手術が必要な場合もありますので、早めに医師の診察を受けてください。

 胃食道逆流症

そのほかには、胃食道逆流症があげられます。これは幽門狭窄症とは反対に胃の入り口の噴門に問題がある場合に発症します。赤ちゃんの噴門はまだゆるく未熟なので、胃の中の物が逆流することが多く、胃食道逆流症を起こしやすいのです。

  • よく風邪を引く
  • 咳が続いている
  • 吐いたものや便に血が混ざっている
  • 体重が増加しない
  • ゼーゼーした呼吸音がする

嘔吐のほかに、これらの症状が当てはまる場合には病院で診察してもらいましょう。
治療法としては、胃酸を抑える薬、胃の内容物がスムーズに流れるようにする薬を飲む、吐き戻ししにくくするために、粘り気をつけたミルクを飲ませるなどです。逆流がひどい場合には噴門を形成する手術が行われます。

胃腸・代謝・神経系の異常などによる嘔吐

また、次の症状を併発しているときには、感染症やアレルギー、胃腸・代謝・神経系の異常などによる嘔吐も考えられますので、病院に診てもらいましょう。

  • 吐いた内容物の色に血が混ざっている、?・緑がかっている
  • 血便がある
  • 赤ちゃんの顔色が悪くつらそうにしている
  • 発熱

体重が増加しない生後1ヶ月の赤ちゃんの嘔吐では、生理的な要因で数ヶ月後には落ちついていることも多いもの。ですが、なかには病気が原因で、薬や手術などの治療が必要になるものもあります。赤ちゃんの機嫌の悪さやほかの症状もみて、病院に行くべきかを見極めてあげてくださいね。

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