出産して母乳育児がスタートすると、新生児を抱えて大変な上に、母乳が思うように出なかったり、おっぱいが張って痛かったりと、おっぱいの悩みが次々と出てきます。そんな新生児ママのおっぱいに関するトラブルを見てみましょう。
授乳期によく起こるおっぱいトラブル
赤ちゃんが生まれてから卒乳するまでの間は、次のように多くの人が何かしらのトラブルを抱えます。
- おっぱいの出が悪い
- 乳房が張って痛い
- 乳首が痛い
- 乳腺炎になった
- 赤いできものができた
- かゆみ
それぞれを詳しく見ていきましょう。
おっぱいの出が悪い
おっぱいは出産後すぐにあふれるように出て、赤ちゃんがグイグイ飲んでくれる……というわけではありません。母乳は赤ちゃんが吸うことにより、徐々に分泌されて母乳量が増えていきます。ところが生まれたばかりの赤ちゃんはまだ吸う力が弱い上に、初めて出産したばかりのママは授乳にも慣れていないのですから、出が悪いのはよくあることです。
母乳は”繰り替えし行なう授乳”で調子UP
周囲の「母乳が一番」というプレッシャーを感じると、さらに出が悪くなりかねません。新生児期は、赤ちゃんが泣いたら乳首を吸わせる作業を繰り返してみましょう。水分を多く取ることも、母乳の出をよくしてくれます。
うまく吸ってくれないときは搾乳(さくにゅう)器を使うことをおすすめします。搾乳した母乳をほ乳びんで飲ませると量がわかるので安心できますよ。
乳房が張って痛い
母乳の分泌が進んでくると、次は飲む量より分泌される量の方が多くなります。このように乳汁がたまる状態を「うつ乳」と言います。赤ちゃんの飲む量が多くなると解消されますが、新生児~生後2~3ヶ月頃までは搾乳器や手を使って母乳をしぼり出すと症状が軽くなります。また濡れタオルで乳房全体を冷やすと楽になります。あまり痛みが強い場合は受診しましょう。
乳首が痛い
授乳に慣れない間のママは、赤ちゃんの吸う力により乳首が傷ついて痛くなります。妊娠後期から乳頭のマッサージをしていても、痛いときは痛いですよね。
くわえ方が浅い赤ちゃんの場合、余計に乳首が痛くなります。一度おっぱいを口から外して、もう一度乳頭を深くふくませてみましょう。切れてしまったときは、搾乳して哺乳瓶にうつして飲ませましょう。傷が回復すれば、また直接飲ませられますよ。
乳腺炎になった
乳腺炎とは乳汁が乳腺や乳管にたまって炎症を起こす状態のことをいいます。おっぱいがたまってしまった部分に、硬いしこりができたり赤く腫れたりします。激しい痛みと熱をともなうので要注意です。
まずはおっぱいをためないことが大切です。授乳の後は乳房や乳首をマッサージして乳房に残っているおっぱいを出しておきましょう。(ただし、あまり空っぽにはしない方がよいようです)
育児疲れが乳腺炎を引き起こす可能性も
乳腺炎は免疫力の低下でも起こります。慣れない育児で睡眠不足になりがちですが、少しでも時間を見つけて体を休めてください。特に乳首に傷ができている場合は、そこから細菌に感染することがあるので、清潔と休養を心がけるといいですよ。
赤いできものができた
これは一種の血豆のようなものです。赤ちゃんの吸う力が強くなるとよく起こります。特に乳頭からずれた場所を吸うと、おっぱいが出ないからなおさら一生懸命に吸おうとします。
もしかしたら、赤ちゃんが授乳しにくい体勢の可能性もあります。おっぱいを飲みやすい角度に抱いているか再確認して、きちんと乳首を吸わせてみてください。
かゆみ
かゆみの原因はいくつかあります。
- 乾燥……乾燥する時期はかゆみをともなうことがあります。授乳後に乳房を馬油で保湿しておきましょう。
- あせも……乳房が大きくなると、あせもができやすくなります。それにママと赤ちゃんの体温が高いので、授乳中に抱いているだけでも汗をかくほど。こまめにタオルで汗を拭き取るようにしましょう。
- 母乳パッドによる刺激……母乳パッドをあてていると、それがすれてかゆくなる場合があります。やわらかいガーゼを重ねてあてると解決しますよ。授乳後にガーゼでゴシゴシこするのも、肌が弱い人には刺激になるので気をつけてくださいね。
その他の悩み
- 肩こり……赤ちゃんはどんどん体重が増加していきます。おっぱいをあげるには抱っこして赤ちゃんを支えなくてはならないので、授乳だけで肩がこるママが多いようです。授乳時に使う授乳クッションなどを利用すると、余計な力を使わず楽な姿勢で授乳できますよ。
- 睡眠不足……子育て中の最大の悩みが睡眠不足と言ってもいいでしょう。特に授乳期は夜中に何度も起きるので、どうしても睡眠不足になってしまいます。朝でも昼間でも赤ちゃんが寝ている間はママも体を休めるようにしてください。体調が安定すれば、いい母乳が出るようになりますよ。