赤ちゃんが欲しいと思ったら、最初に始めること

妊活は家族計画からスタートして

女性の社会進出や結婚に対しての価値観が広がったことなどで、最近は結婚や妊娠する年齢が上がってきています。ところが、妊活をスタートさせる年齢が上がれば上がるほど、不妊に悩む女性が増えているという現実もあります。

そのため、いざ結婚しても妊娠できるのかしら?と心配になる方も多いようです。また結婚しても共働きで忙しく、なかなかタイミングを取れないといった悩みもよく聞かれます。今回は、赤ちゃんが欲しいと思ったときに、最初に始める妊活についてお話ししたいと思います。

家族計画を立てよう

妊娠は、女性だけではできません。夫の協力と理解が不可欠です。また、高齢妊娠を目指すカップルや、共働きで忙しい夫婦の場合、特に夫婦での協力体制が欠かせません。

そのため、最初におこなう妊活は、夫婦でいつ頃、何人子どもが欲しいのかという家族計画を立てることです。そのとき大切なことは、すぐに授からなかった場合、不妊治療はどうするのか、金銭的にどこまでの治療をするのか、治療をしても授からなかった場合はどうするのかということまで話し合っておくことです。

また、妊活中に夫に協力して欲しいことや、妊娠、子育てで変化する妻の働き方や家族のあり方についてもきちんと話し合っておくことが大切です。ただ子どもが欲しいというのではなく、「妊娠する」ことや「子育てをする」ということがどういうことなのかを夫婦できちんと話し合うことが妊活には大切なのです。

妊娠するために体が整っているかを知ろう

次に大切なことは、自分が妊娠できる体かどうかを知ることです。妊娠するためには、正常な月経周期とホルモンバランス、そして健康な子宮が必要です。そのため、まずは規則正しい月経と正常なホルモン分泌があるか、子宮や卵巣の形態に異常がないかを調べることが大切です。

基礎体温を最低3か月間計測する

規則正しい月経周期やホルモンバランスは、基礎体温をつけることで、ある程度知ることができます。基礎体温とは、体が一番安静にしている状態での体温をいいます。女性の月経周期に合わせて変化する基礎体温を知ることで、月経周期とホルモンバランスが正常かどうかを見てみましょう。

【基礎体温の測り方】基礎体温から排卵日を知ろう

  • 婦人体温計と基礎体温表を用意する
  • 朝目覚めたら、なるべく動かないようにして、舌下で5分間(実測)体温を計ります。
  • 睡眠時間が不規則な場合は、最低4時間以上寝た後に計測します。
  • 基礎体温表に、基礎体温、月経日、性交日、おりもの、体調などを記録しておく。

【正常な月経】

月経周期 25日~38日以内
毎月の日数の差が6日以内
月経時続期間 3日~7日以内
月経量 20g~140g
1日目や終わりかけが、2~3日目と変わらない=量が少なすぎる
ナプキンが1時間持たない、血の塊が出る=量が多すぎる
生理痛 痛み止めを飲まなくても我慢できる範囲

【正常な基礎体温】

①低温期と高温期の2相性になっている
②高温期の体温が36.7~37度、低温期の体温が36.0~36.3度以上ある
③低温期と高温期の体温差が0.3度以上ある
④高温期が9日~14日間ある

基礎体温と月経周期を最低3か月間計測してみて、正常値から外れている場合は、なんらかのホルモンに異常が起こっている可能性があります。早めに病院で受診し原因を特定、治療するようにしましょう。

子宮や卵巣の検査を受けましょう

妊娠するためには、健康な子宮と卵巣が必要です。不妊の原因に、子宮筋腫や子宮内膜症など婦人科疾患が隠れている場合があります。

子宮がん健診やブライダルチェックで自分の子宮や卵巣に異常がないかを診てもらうようにしましょう。また、妊娠に関わる感染症検査や風疹抗体なども一緒に調べてもらうことができます。

排卵日を調べてタイミングを取ってみよう

夫婦で妊活について話し合い、自分の体が妊娠に適した体かを調べたら、実際にタイミングを取って子作りをスタートさせます。

まず排卵日を予測してみましょう。排卵日の予測は、月経周期や基礎体温、おりもの、病院でのエコー検査、排卵検査薬など色々な方法で予測ができます。

できるだけ、たくさんの方法を組み合わせて予測する方が確実ですが、お金がかかるものもあるので、自分たちに合った方法で調べるとよいでしょう。

一番、妊娠率が高いのは、排卵日の2日前~排卵日当日といわれているので、その間2回はタイミングが取れると可能性が高くなります。ですが、あまり排卵日にこだわるより、できるだけ多くの回数やタイミングを取る方が、妊娠率が高いというデータもあるので、ご主人がプレッシャーを感じないよう配慮してあげることが大切です。

 妊娠に至らない場合は不妊治療専門病院も視野に入れて

うまくタイミングを取ってもなかなか妊娠しない場合、不妊治療専門の病院で、一度診てもらうのも妊活の一つです。ためらいや恥ずかしさもあると思いますが、病院をうまく活用できれば、妊娠への早道です。

一般的に2年以上タイミングを取っても妊娠しない場合は不妊症と定義されていますが、問題のない夫婦が約1年間子作りをした場合、約92%が妊娠するというデータがあるので、35歳以上の場合は半年、それより若い方は1年タイミングを取っても妊娠しない場合は、病院デビューを考えてもよいでしょう。

妊活は計画性を持って確実に

高齢で妊娠を目指す人や仕事をしながら妊活をする女性が増えた現代では、計画性を持って、確実に妊娠するための活動をしていくことが大切です。やみくもにただ待っているだけでは、こうのとりは来てくれないでしょう。

また、妊活や不妊治療、妊娠、子育てによって、今までとは違う生活スタイルやお金の出費も多くなります。夫婦できちんと家族計画を立て、こんなはずではなかった……とならないようにすることが大切ですね。

page TOP