ひとりでやりたいけれどうまくできずにわがままを言ったり、弟・妹が生まれて焼きもちを妬いたりするのが3歳児。まだまだ赤ちゃんの部分と、少しずつ成長する子どもの部分を持ち合わせています。そんな年代に読んで聞かせたい絵本を選びました。
『おおきなかぶ』(A・トルストイ/作 福音館書店)
繰り返しが大好きな子どもたちにヒットする一冊
小学校の教科書に載っていたこともある有名なお話です。「うんとこしょ、どっこいしょ」とかぶを引っぱる家族が増えていきます。子どもは繰り返しが大好き。対象年齢は4歳以上となっていますが、2~3歳からでも十分楽しめます。「今日も読んで」とリクエストされるママが多いようです。
『てぶくろ』(ウクライナ民話 福音館書店)
仲間を受け入れるやさしい気持ちを育めます
雪の上に落ちていた手袋に、次々と動物たちが入ってくるというお話。最初にてぶくろを見つけたねずみが「入れて」と次々にやってくる仲間たちを受け入れるストーリーが優しさを育てます。
自分なりに物事を考える3歳児なので、絵本を通して何かを感じるようです。「自分も子どものころに何度も読んだ」という声が多いおすすめの1冊です。
『ぐるんぱのようちえん』(西内ミナミ/著・堀内誠一/絵 福音館書店)
子どもたちが大好きなぞうの姿を通して、心も成長
ひとりぼっちの大きなぞう・ぐるんぱは、仲間から離れいろいろなものをつくる仕事をしていくも失敗ばかり。最後につくった幼稚園がうまくいくという物語です。「子どもがぐるんぱの立場や気持ちを理解していて、びっくり。子どもの成長を感じてうれしくなりました」とママの声。大人が読んでも感動できるストーリーです。
『そらまめくんのべっど』(なかや みわ/作 福音館書店)
お友達との関係がギクシャクしていたら読んであげたい
そらまめくん自慢のふかふかのさや(ベッド)をめぐる物語です。仲間や兄弟には決して譲らなかったベッドに、うずらがたまごを産み落としたところから、そらまめ君のきもちが変化しはじめます。
「お友だちにいじわるをするようになった3歳の娘に読んであげたら、何かを感じたのか優しくするようになりました」という体験も。かわいいそらまめくんのぬいぐるみも販売されています。
『もったいないばあさん』(真珠まりこ/著 講談社)
自然な流れで、モノを大切にする気持ちを育てます
もったいないことをしているとやってくる「もったいないばあさん」。道徳的ではなく、押し付けがましくもないけれど、自然と物を大切にする気持ちが育ちます。
「子どもが水の出しっぱなしをやめた」という声もあれば、「事例が古すぎる」という声もありますが、どう生かすかは読者次第かも?
『ピン・ポン・バス』(竹下文子/著・鈴木まもる/絵 偕成社)
絵本の中ののどかな光景に親子で癒されて
田舎町の駅前バス停からバスが発車して、山の終着駅に着くまでの車内のできごとを描いています。1996年版の本ですが、なぜか絵は昭和チックでヴィンテージ感をただよわせています。温かみのあるラインや色使いで描かれた絵の中には、人々のさまざまなストーリーが詰まっています。
のどかな風景に癒されるという声が多数。何より乗り物好きの子ども受けはバツグンです!
『だるまちゃんとてんぐちゃん』(加古里子/作 福音館書店)
昔から子どもたちに愛されているロングセラー作品
初版が1967年と、昔から読み継がれているこちら。てんぐちゃんが持っている珍しいものを、だるまちゃんがなんでもほしがります。そのおねだりを聞くユニークなパパだるまのだるまどんを筆頭に家族総出でだるまちゃんを応援しており、コミカルながらほんわかとこころあたたまるストーリーです。「これは○○」と、何かに見立てて遊べるようになった3歳の娘が喜んで聞いていました」とママの声。
『しゅくだい』(いもと ようこ/文・絵 宗正美子/原案 岩崎書店)
嫌な宿題が安らぎをもたらしてくれるおはなしです
「今日のしゅくだいは○○です」先生の発する声に子どもたちは大騒ぎ。さて、どんな宿題が出たのでしょうか?
宿題という言葉を知らない子も、学校に行っているお兄ちゃんやお姉ちゃんの様子から宿題はいやなものというイメージを持っている子も、心がホッとするお話です。ママは思わずお子様を抱きしめたくなりますよ。
※アマゾンのレビューがすべて★5つという人気作です。
3歳児の絵本の選び方
絵本を通して、何かを考え何かを感じるきっかけに
3歳は自分の意見を立派に主張する年齢です。ただ、大人が見ればわがままと映ることも。だけど、子どもなりに考えています。やりたいことがうまく伝わらないジレンマを感じているはず。
絵本は子どもの考える力を育てて、また新しい何かを感じるきっかけになりますよ。あまり「教育」を意識せずに、楽しく読み聞かせてあげてくださいね。