3歳児健診は子どもの心身の発達状態を確認する大切な機会です。ところが3歳児は反抗期まっさかり! なかなか思うように動いてくれません。そのため「気が重い」というママが多いのではないでしょうか。でも、3歳児健診は病気や発達の異常など、たくさんのことがわかるんですよ。
3歳児健診は何のため?
3歳になると子どもはおとなの質問を理解して、答えられるようになります。また、自分の気持ちを伝えることが出来て、運動能力も発達してきます。そこで3歳の子どもを対象に身体的な発育と精神面での発達を含めて、医師や歯科医師にも見てもらって総合的な健康診査を行います。
その際、何か気になる点があれば適切な指導やアドバイスを行うのも3歳児健診の目的です。
3歳児健診の内容
3歳児健診では、次のような内容を確認します。
身体計測 | 身長・体重・胸囲 |
歯科健診 | むし歯の有無や不正咬合(かみ合わせ)など |
内科健診 | 脊柱や胸郭の病気、皮膚、眼、耳、鼻、のどの病気や異常の有無 |
尿検査 | 尿たんぱく、潜血の有無(腎疾患の有無) |
生活育児相談 | |
栄養相談 | 好き嫌いや食べる量など |
歯みがき相談 | |
言葉の相談 | |
運動能力 | 運動障害の有無 |
予防接種の実施状況 |
どんなことを聞かれるの?
具体的にどんなことを聞かれ、何をチェックされるのでしょうか?主なものを書き出してみました。
運動に関して
- 早く走れますか?
- 足を交互に出して階段をのぼれますか?
- 三輪車に乗ってこげますか?
- 丸が書けますか?
- 積み木を4個以上積めますか?
- 30cm以上の高さから両足をそろえて飛び降りられますか?
言葉に関して
- 「パパ カイシャ」などの二語文を話しますか?
- おとなと会話ができますか?
- 自分の名前が言えますか?
- 歌が歌えますか?
- 赤、青、黄、緑のうち、3つの色がわかりますか?
- 簡単な質問に答えられますか?(「頭はどこ?」「眠くなったらどうする?」など)
自我の発達や社会適応能力が育っているかどうか
- 何でも自分でしたがりますか?
- 友だちとごっこ遊び(ままごとや電車ごっこなど)をしますか?
- 友だちと遊びますか?
- 自分の物と他人の物の区別がつきますか?
生活習慣に関して
- 服の脱ぎ着を自分でしようとしますか?
- 日中のおしっこがひとりで出来ますか?
- 手を自分で洗えますか?
- 食事は自分でできますか?
眼や耳の病気に関して
- 呼んでも返事をしないことがありますか?
- テレビの音を大きくするなど聞こえが悪いときがありますか?
- 話し言葉の発達が遅いと感じることがありますか?
- テレビを近くで見ようとしますか?
- 色(赤、青、緑など)がわかりますか?
その他
- 落ち着きがない、極端に怖がる、視線が合わない、かんしゃくがひどい、おとなしすぎる、周囲の人に無関心、人の言うことを聞かない、睡眠中に急に泣き出して起きることがある、どもり、爪かみ、性器をよくいじるなどがないかどうか
3歳児健診でわかること
3歳児健診では多くの質問や確認を通して、子どもの健康状態だけでなく、眼や耳の病気の有無、社会性が育っているかどうか、理解力が育っているかどうか、発達障害の可能性があるかどうかなどを見ています。
1つの質問で、さまざまなことがわかります
例えば、保健師さんの質問に答えられるかどうかというやり取りを通して
- 言葉(質問の意味)を理解しているかどうか
- 他人と言葉のやりとりができるかどうか(社会性の発達)
- 話がしっかり聞けているかどうか(聴覚のチェックや発達障害のチェック)
がわかります。同様に「色がわかるかどうか」の問いかけに対しては
- 言葉を理解しているかどうか(質問の意味の理解、色の理解)
- 色覚の異常がないかどうか
などを見ることができます。運動能力に関しては、足の異常の有無などもわかります。
ママとしては自分がテストされているように思うかも知れませんが、早い段階で異常や心配事が見つかれば、それだけ早く対処できます。気になることは遠慮せずに相談してみましょう。質問票は自宅で記入する項目がたくさんあります。書きながら当日聞きたいことをメモするなど整理しておくといいですね。