幼稚園で挨拶しなければいけないシーンに出合ったら?

幼稚園活動で出くわす親の役目

幼稚園に入園すればPTAに入ることになります。その中で代表して挨拶する機会があるかもしれません。もしもそんなシーンがやってきたときは、どんな挨拶をしたらいいのでしょうか?

挨拶をする際のポイント

どのシーンでも、挨拶することになったら気を付けたいことがあります。それは次の通りです。

  • 短くまとめる
  • 原稿は持たない
  • 丸暗記しなくてもいい
  • 話すときは少し上方を見ながら大きな声で

挨拶を考えていると、色んなことを盛り込みたくなります。そうすると、どうしても長くなりがちです。そこをなるべく簡潔にまとめるように心がけましょう。どんなにいい挨拶を考えても、長いと聞き手は疲れてしまいます。すっきり短い挨拶のほうが好印象を得られます。

また、原稿を持ちながら読むのはおすすめできません。下を向いて喋ることが多くなり、声も届きにくくなります。原稿を持たずに挨拶するためにも、短くまとめることがベストです。

挨拶に慣れていない場合、原稿を持たないと不安になるかもしれません。挨拶を間違えたら……、など不安要素は様々あるかと思います。あらかじめ考えていたあいさつ文を丸暗記する必要はなく、少々間違えてもご愛嬌程度で問題ないはずです。それよりも、全体に届くよう大きな声で話をするほうが大切です。そのために数日前から発声の加減を練習したり、話すときは目線を少し上の方に置くようにしましょう。

幼稚園の入園式で挨拶

入園時、保護者を代表して挨拶を頼まれる場合があります。その際、いくつかのポイントをおさえて話を組み立てましょう。

入園の挨拶のポイント

  • 先生方への感謝の言葉
  • 子どもたちにも分かりやすい言葉選び

入園式の主役は子どもたちです。まだ理解できない言葉も多いかもしれませんが、なるべく分かりやすい言葉を選ぶようにしましょう。また、先生方への感謝の気持ちを伝えるのは忘れてはいけません。

入園式の挨拶の文例

「新しく入園しました園児の父母を代表して一言ご挨拶申し上げます。今日から○○幼稚園にお世話になります。子どもたちともども、この日を楽しみに待っておりました。園の門をくぐるまでは少し不安もありましたが、いま大人しく座っている子どもたちの様子を見て、こんなに成長してくれたのだなと感じております。
これならきっと、たくさんお友達を作って楽しく過ごしてくれることと思います。これから先、たくさんご迷惑をおかけすることと思いますが、園長先生を始め職員の皆さま、どうぞよろしくお願い致します」

幼稚園の運動会で挨拶

年間行事の中でも大きな行事の運動会では、保護者代表挨拶が定番です。PTAの会長をしていれば、恐らく挨拶することになるでしょう。

運動会の挨拶のポイント

  • 園の先生方に感謝の言葉を述べる
  • 子どもたちには明るく語りかけるようにする
  • 保護者に積極的な参加を呼びかける

運動会挨拶の文例

「(①挨拶し、園児に語り掛ける)みなさんおはようございます。(PTA会長の)○○です。今日は待ちに待った運動会ですね。今日のために、一生懸命練習してきましたね。みなさんの頑張る姿をお父さんもお母さんも楽しみにしています。
(②来賓、保護者に向けて)ご来賓の皆さま、保護者の皆さま。本日は朝早くから運動会に参加して下さり、誠にありがとうございます。この日のために一生懸命練習した子どもたちの頑張りを、どうぞご覧ください。
(③園に向けて感謝の言葉)また、この場をお借りしまして、日頃より温かくご指導いただいております園長先生を始め先生方に、心より御礼申し上げます。
(④役員たちに)それから本日お手伝いしていただきます役員の皆さま、どうぞよろしくお願い致します。
(⑤締めの言葉)それでは皆様、今日一日子どもたちにどうぞ大きな声援をお願い致します」

卒園式で挨拶

幼稚園生活の総仕上げといえる卒園式でも、「謝辞」や「御礼の辞」などPTA代表として挨拶する場面があります。卒園式は式典ですので、ある程度形式に則った挨拶を考える必要があります。

卒園式の挨拶のポイント

  •  季語を含んだ挨拶(1)
  •  先生方や来賓へのお礼(2)
  •  在園中の思い出(3)
  •  子どもたちの成長(4)
  •  今後の指導のお願い(5)
  •  年月日、氏名(6)

縦書き、毛筆で奉書紙にしたためる

卒園式の挨拶文は奉書紙と言われるものに毛筆を使って縦書きで書きます。そして当日式典が終わったら、園長先生もしくは理事長に渡して帰ります。

卒園式の挨拶の文例

やわらかな日差しに花の蕾も膨らみ始めたこの佳き日に、わたくしどもの子どもたちのために盛大な卒園式を執り行っていただき、誠にありがとうございます。僭越ではございますが、保護者を代表して一言お礼のご挨拶をさせていただきます。(1)
こうして無事卒園式を迎えることができましたのは、園長先生をはじめ先生方のご指導と愛情のおかげと深く感謝申し上げます。また、御来賓の皆さまにおかれましても、ご多忙のところご臨席賜りまして誠にありがとうございます。(2)
思い起こしますと、三年前、子どもたちは不安そうな顔で園の門をくぐりました。そんな顔を見ていると、果たして大丈夫だろうかと私たちも不安になったものです。(3)
そんな様子も少し経てばなくなり、元気に登園するようになりました。そして園生活でたくましく成長し、今はこのようにたくましい顔を見せてくれるようになりました。これから先、この幼稚園で過ごした思い出は子どもたちの大きな支えになることでしょう。(4)
本当に先生方にはお世話になりました。たくさんの思い出を作ってくださり、ありがとうございます。そしてどうか、今後とも子どもたちを温かく見守っていただけると幸いです。(5)
平成○○年三月○日、平成○○年度卒園生一同、保護者代表○○○○(6)

卒園式の謝恩会での挨拶

卒園式のあと、謝恩会で挨拶をする可能性もあります。謝恩会は卒園式ほどかっちりしたシーンではありません。ある程度フランクなスピーチでも問題ありません。

謝恩会の挨拶のポイント

  •  堅苦しさより親しみやすい話し方、内容
  •  お世話になったことに対する感謝

謝恩会では特に決まった内容を話さなければならないということはありません。先生方への感謝を伝えることと、みんなで協力したり、頑張ったエピソードがあれば盛り込んでもいいでしょう。

謝恩会は卒園式のあとということで、ホッとしている雰囲気があります。それを壊さないよう、堅苦しい挨拶より少しくだけた口調で話をするほうが好印象です。

謝恩会の挨拶の文例

「本日は園長先生を始め先生方には、お忙しいところご出席賜りまして心よりお礼申し上げます。また、保護者の皆さまにおかれましても、このように大勢ご出席いただき、ありがとうございます。先生方には○年間本当にお世話になりました。一番大切な幼児期を素晴らしい先生方にお世話いただくことができ、本当に幸せだと思っております。
本日はささやかではございますが、これまでのお礼の気持ちを込めて感謝の会を用意いたしました。日ごろの仕事からは離れ、ひと時でも私たちと一緒に楽しい時間を過ごしていただければ幸いです。どうぞ皆さま時間の許す限りごゆっくりおくつろぎください」

その他の話をする機会といえば?

幼稚園ではその他にも挨拶をするシーンが考えられます。

  • PTA役員になった時の挨拶
  • バザーや課外活動での挨拶
  • 懇談会での挨拶
  • 学芸会(お遊戯会)での挨拶

PTAの役員、特に会長になった場合は就任のあいさつをする場合が多いです。その際の挨拶のポイントは、①就任への経緯と自己紹介、②会長という職務の責任を果たす決意、③会長として先生方や保護者に対し協力を求める内容にすることです。特に、PTAは保護者の協力が不可欠です。謙虚な姿勢を示すようにしましょう。

また、バザーや課外活動においても、保護者の協力の元で成り立つ活動です。そのため協力してもらったことへの感謝の言葉は必ず入れるようにしましょう。バザーの場合、人気のコーナーの紹介や目玉商品を話に盛り込んでもいいです。

学芸会での挨拶は、子どもたちに向けて話しかけるようにします。「皆さんの頑張っている姿を見て本当に嬉しく、楽しかったです」などと話しかけてから、先生方への感謝の気持ちを伝えましょう。

進級した際の懇談会であいさつをする場合は、特に堅苦しく構える必要はありません。この一年で子どもがどのように成長したかということや、この一年もよろしくお願いしますといった言葉などをまとめましょう。

基本は短く、そしてシーンに合わせた内容の挨拶を

幼稚園で挨拶をする機会というのはPTAの役員をするしないに関わらず出てくるものです。それぞれの挨拶で共通することは、簡潔にまとめるということです。そしてシーンに合わせて内容を考えましょう。

式典などの厳粛な場で挨拶する場合は、ある程度形式に則って話をする必要があります。反対に運動会や学芸会など、園の行事では子どもたちに話しかけるように挨拶をしましょう。

子どもたちに話しかける場合、飽きずに聞いてもらえるようにするには、「こんにちは」や「ありがとう」など、子どもたちの返事が返ってくるような内容にするのがポイントです。

そして、PTA活動での挨拶なら保護者への感謝を、学校行事の場合は先生方への感謝の気持ちを伝えるのを忘れないようにしましょう。また、シーンによってはある程度フランクな話をしたほうがいい場合もあります。

挨拶は緊張しますが、大きな声で話せれば問題ありません。いい挨拶をしようと思わなくても、自分らしい挨拶をしましょう。

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