幼稚園に入園したものの、子どもが行くのを嫌がって困っている――。そんなことありませんか? 帰ってくると笑顔なのに、毎朝着替えさせるのにひと苦労、園の前で大泣き……では大変ですよね。どうすれば機嫌よく登園してくれるのでしょうか。
どうして幼稚園を嫌がるの?
子どもが幼稚園に行きたくない理由はいろいろありますが、いくつか原因になる事情ががあるようです。
親と離れたくない
いちばん多い理由は「親と離れるのが嫌」という気持ちです。特に幼稚園への入園が家族から離れる初めての経験となる子どもにとっては尚更ショックな状況でしょう。だから玄関先から動かなかったり、バスに乗るのを嫌がったりするんですね。
兄弟姉妹が生まれることへの嫉妬・やきもち
下の子が生まれる、生まれたということがキッカケで幼稚園に通いだしたのであれば、それが原因となっている可能性があります。いわゆる「赤ちゃん返り」の現象です。まだまだ甘えたい年頃ですから、”幼稚園に通う=突き放された”ような気持ちで切ないのかもしれませんね。
幼稚園でトラブルを抱えている
嫌がる理由には、子ども自身がトラブルを抱えている可能性も考えてみる必要があります。お友達とケンカをしたのかもしれません。あるいは自宅と違ってなんでも独占できる環境ではないことに不満を抱えているのかもしれません。慣れない集団生活になじめない可能性もあります。
嫌がる子ども、どう対応すればいい?
どうすれば、泣いて嫌がる子どもが機嫌よく幼稚園に行けるのでしょうか。それにはいくつかポイントがあるようです。
親のほうが積極的に”笑顔”でいましょう
親が不安そうな顔をしていると、子どもも不安な気持ちになります。送りだすほうも不安だったり、寂しいことがあります。ただそれは子どもの前では表面に出さず隠したいところです。とにかく笑顔で送りだす親の態度が、前向きに幼稚園に向かうためには大切です。登園時も、ただ歩くのではなく、しりとりをしたり歌をうたったりと子どもが楽しめる環境を作ります。見送りが終わったら、いつまでもクラスの前や園内にとどまらずサッと帰るようにしましょう。
幼稚園での生活に期待が膨らむような”楽しい話”をする
幼稚園に行けば楽しいことがある、と思わせるのも一つの方法です。例えば、「今日の給食は○○だね」とか「○○ちゃんと何して遊ぶの?」などといった声掛けです。
また、「今日のおやつは○○だから、帰ってきたら食べようね」というような楽しみを作るのも有効です。他にも、お友達と手紙交換をするのもよいかもしれません。幼稚園に行って手紙を渡すという目的が生まれるからです。
子どもの行きたくない”気持ちを受け止める”
「行きたくない!」と言っている子どもを頭ごなしに叱っても意味がありません。「行きたくないんだ、そうかそうか」と同調する対応が大切です。親は自分の気持ちを分かってくれている、と思えれば子どもも落ち着きます。
先生との連携はしっかりと
万が一トラブルを抱えていてはいけないので、先生との連携はしっかりと行ないましょう。連絡帳だけでなく、直接話すことでコミュニケーションを取るのも大切です。園での様子を聞いたり、自宅での好きな遊びなどを話しておくなどして、少しでも子どもが馴染めるような環境を整えてあげましょう。
たっぷり褒めてスキンシップもたっぷり
泣いてわめいてそれでも幼稚園に行ってくれたなら、帰ってきた子どもを思いっきり褒めてあげてください。お迎えの際のハグも効果的です。そしておうちではたくさん遊んであげてください。自宅でのコンディション調整時間が翌日のやる気へと繋がるでしょう。
こんな対処をしないように気を付けよう
数日程度であれば、なんとかなだめて通わせることもできます。とはいえ、現実はなかなかそうはいきませんよね。長期間に渡って嫌がられると、親としても疲れてしまいます。ただ、こんな対処だけはしないように気を付けましょう。
頭ごなしに叱ったり脅したりしない
子どもが幼稚園に行きたくないのは、寂しさのあらわれです。頭ごなしに「どうして行かないの!」と叱ったり、「行かないとおやつ抜きだよ」というように脅す対応はやめましょう。余計に泣いたり嫌がったりする可能性大です。
否定するような言葉を避ける
泣きながらでも幼稚園に行ってくれたら、「偉いね、ちゃんと行けたね」とできた行為自体に目を向けて、たくさん褒めてあげましょう。いっぽう、「明日は泣かずに幼稚園に行こうね」というような否定的な言い方は避けましょう。
「頑張って」もプレッシャー
怒ったり、脅したりするのはいけませんが、「頑張って」という言葉も子どもにとってはプレッシャーです。言ってしまいがちですが、グッとこらえて我慢しましょう。
嫌がる子どもに寄り添ってあげられるように
子どもが幼稚園に行きたくないと駄々をこねるのは、親と離れることへの不安やさみしさから生まれるものです。そんな期間が短いか長いかは人によって違います。数カ月続く場合は親としても大変ですが、根気強く寄り添ってあげましょう。
親が共感することで、子どもの不安も和らぎます。親自身が不安だと子どもにも伝染します。登園の際は努めて笑顔で、見送ったらサッと帰るようにするのがポイントです。そして、頑張って幼稚園に行ってくれたら、お迎えのときは思いっきり抱きしめて褒めてあげましょう。自宅でもたくさん遊んであげてください。
少しでも子どもが幼稚園に行こうと思えるように、幼稚園に行く楽しみや帰ってきた時の楽しみを作るのも効果的です。また、万が一トラブルを抱えていた時に対応できるよう、先生との連携もしっかり行いましょう。