幼稚園の入園や新学期の訪れとともに、親には「役員決め」がやってきます。トラブルが起こることも多いと聞き、できればやりたくないと思う方もいるのではないでしょうか。では実際役員になると、どういったことをしないといけないのでしょうか。
役員になると、どんなことをする?
役員に与えられた役割というのは、園によって違いがあります。そのため一概に「これ!」とは言えませんが、よくある仕事は次の通りです。
- クラスの連絡係
- 行事の手伝いや引率
- バザーの主催やその手伝い
- 懇親会や謝恩会の企画
- 総会の準備、進行
役員の基本的な仕事は、クラスの連絡係としての役割です。その他に運動会や遠足、夏祭り、もちつきなどの行事を手伝ったり、引率しなければいけないことがあります。遠足の場合、お菓子選びも役員の仕事になっていることがあります。
卒園や進級が近づくと、卒園文集を作ったり、お祝いのプレゼントを選ぶという仕事がある場合もあります。また、バザーを行っている園では、役員が中心となって企画から運営を行います。さらに園によっては、懇親会や謝恩会の企画やセッティングをしなければならないこともあります。もちろん、保護者会の総会は役員が準備し、進行します。
役員決めはどうやって行われる?
園によって多少違いはありますが、まずは立候補者を募ります。そこで決まらない時は、前年度の役員がいいと思う人に打診したり、園から直接アプローチが行われたりします。中にはくじ引きというところもあります。その他、事前に「役員になれるか、なれないか」というアンケートを実施し、それを元に打診されることもあります。
役員の中でも色んな役職がある
ひと口に役員といっても、役職は一つではありません。当然、「長」とつく役職もあります。園によって名称が違いますが、例えば次のような役職があります。
・会長
・副会長
・会計
・書記
・監査
会長は役員の代表なので、何かといろいろな場に出席することになります。そのため時間の自由がきく人におすすめです。また、人の意見を上手にまとめられる人も向いています。副会長は会長の補佐役です。会長の性格次第で大変さは変わるかもしれませんが、上手にやっていける人であれば適任のポジションです。
会計は数名で行う場合があります。几帳面な人や、会計に関わる仕事の経験がある人なら抵抗なくできるかもしれません。書記の場合は会議の議事録作成だけでなく、保護者宛の文書を作ったり、チラシ作りなどをすることがあります。こういった作業が好きな人にはおすすめの役割です。
監査は年度末の会計報告書をチェック・押印する役目です。役員の中でもそこまで負担がないポジションです。そのため下の子どもがいる人や、仕事をしている人でも就きやすい役職と言えます。
このほかにも園によって役員の人数はさまざまで、独自の役職を設けている場合があります。仕事の内容や責任も園によりますが、役員になった時は自分が出来そうな仕事があれば率先して手を上げるほうが、自分に合わない役職に就くのと大変さが変わってきます。
幼稚園の役員をするメリットは?
幼稚園の役員をやることは、大変なだけのイメージがあるかもしれませんが、メリットもあります。
・知り合いが増える
・子どもの様子を見に行ける
・運動会などで一番見やすい席に座れる
・家庭では得られない達成感
役員をすると、否応なしに知り合いが増えます。気の合う人と出会えれば、幼稚園卒業後も付き合える関係になれるかもしれません。また、もちろん先生にも顔を覚えてもらいやすいです。役員をすることで園に行く機会も増えるので、子どもの様子を見られるというメリットもあります。
さらに園によっては、イベントに役員だけ招待されたり、運動会で一番見やすい席を用意してもらえるなどという役得もあります。打ち合わせや準備など大変な面も多いですが、みんなで協力してやり終えたあとの達成感は家庭では得られない充実感です。
自分のつく役職によっては自分の知らなかった能力を見つけることができるかもしれません。
幼稚園の役員、デメリットは?
もちろん、メリットがあれば次のようなデメリットもあります。
・人間関係の悩み
・責任からのストレス
・行事をゆっくり楽しめない
役員になることの一番のデメリットは、人間関係です。同じ役員同士で意思疎通がうまくいかなかったり、役員ではない保護者から文句ばかりいわれるという可能性もあります。
これの対応策は、せめて役員同士の結束を固めておく必要があります。役員でない人からの批判や不満はつきものだからです。そのために自分自身が出来ることは、人のうわさに惑わされないこと、批判をしないことです。また、意見があれば陰で言うのではなくその場で言えるようにしましょう。
このほかにも「自分は役員だ」という責任から、ストレスを感じることもあります。また、特に運動会などで行事をスムーズに運営するために、ゆっくり座って子どもの様子を見ていられないというデメリットもあります。
やるなら年長より年少?
役員の仕事については、年長より年中小で引き受ける方がいい、という意見があります。これは年長だと行事も多くなったり、人間関係がある程度出来上がってしまい、トラブルも多くなるからということのようです。
特に年少だと、お互い知らない者同士なので仲良くしたいという雰囲気もあり、それが役員の仕事をする上で追い風になることがあります。また、いろんな人と話をする中で、仲良くなるきっかけも作れます。
年長で役員をする場合は、気の知れた人同士で事前に話をまとめて立候補するのもおすすめです。お互い知っている者同士で行なうためコミュニケーションもとりやすいですし、運営もしやすくなります。
家庭の事情は?
仕事をしている、下の子どもがまだ小さいなどそれぞれに抱えている事情があります。こうした場合、考慮してもらえるかどうかというのは園によって差があります。役員決めのルールは、園ごとに決められています。その中で比較的免除してもらいやすい理由は次の通りです。
・役員をした経験がある
・下の子どもが小さい
・妊娠中、介護中
・フルタイムの仕事をしている
・母子・父子家庭
こうした理由に該当し、周りからの同意が得られれば、免除してもらえることもあります。「ただやりたくない」「私には出来そうにない」という理由では免除の対象からは外れることが多いです。
幼稚園の役員はやるとなったら前向きに捉えよう
役員の仕事は園によって違い、負担の程度も変わります。役員をすると、人間関係の幅が広がったり、充実感が得られるのは間違いありません。その反面、人間関係のストレスやトラブルもつきものです。
ただ「役員は大変そうだから」という理由だけで逃げてしまうと、周りから批判を浴びることもあります。頼まれたら、どうしてもだめな理由がない限りは前向きに検討しましょう。
もし役員になった場合は、自分に出来そうな役職に率先して手を上げるほうが、かえって合わないポジションにつくことがなくて済むかもしれません。