幼稚園&保育園時期のインフルエンザ対策と対処法

子どものインフルエンザ

寒くなってくると心配なのが、インフルエンザの感染です。幼稚園という集団生活の中では感染の機会も増えます。元気に登園できるよう、しっかり対策をとりたいですよね。それでももしかかってしまった場合の対処方法も知っておきましょう。

インフルエンザの流行時期とは?

インフルエンザは通常11月~12月ごろから見られるようになり、年が明けて1月~3月にピークを迎えると言われています。その後4月~5月にかけて減少する傾向があります。ただし5月を過ぎても大丈夫ということはありません。夏でもインフルエンザにかかる可能性はあります。そのため、日々予防のための対策をとる必要があります。

インフルエンザの感染経路は?

  • ツバなどによる飛沫感染
  • 唾液などが付いた手指などによる接触感染

インフルエンザは、くしゃみなどによって飛んだツバから感染したり、感染した人の唾液や鼻水などが接触することで感染します。

インフルエンザの予防方法

  1. 手洗いうがい
  2. ワクチン接種
  3. おもちゃなどのアルコール消毒
  4. 湿度調整
  5. 体調管理
  6. 人ごみを避ける

風邪予防と同じく、インフルエンザの場合も手洗いやうがいは必須です。外から帰ってきた時はもちろん、食事の前やトイレのあとなども行うようにしましょう。

ワクチン接種は家族全員で受けましょう

インフルエンザについては毎年ワクチン接種が行われます。地域によって異なりますが、おおよそ10月から1月頃まで接種を受けられます。ワクチンの効果は接種後2週間ほどかかります。

ただし数カ月経つとワクチンの効果が薄まります。13歳以下の子どもに対しては2回接種を受けることをおすすめします。ワクチン接種は、子どもだけでなく、一緒に暮らす家族も受けておくのがベターです。そうすることで家庭内感染のリスクを減らすことができます。

”卵アレルギー”がある場合のワクチン摂取は、医師に事前相談必須です

ただしインフルエンザワクチンを受ける前に注意したいのが、卵アレルギーです。もしアレルギーがある場合はかかりつけの医師に相談してから接種を受けましょう。アレルギー以外にも以前季節性の予防接種で副作用が出た人は同じように相談するようにしてください。

日常にアルコール消毒を取り入れて

普段から手軽にできるアルコール消毒もインフルエンザ対策として効果があります。いつも使っているおもちゃや登園グッズなど、消毒できそうなものがあればしておくのもいいでしょう。

インフルエンザは、乾燥していると感染しやすくなります。寒い時期はとかく乾燥しやすいので、適度な湿度を保つことが大切です。かといって、湿度が高すぎても体調不良の原因になります。適切な湿度は50~60%程度です。常時この程度に保つと、一番感染しづらいと言われています。

その他、日ごろの体調管理も重要です。バランスのとれた食事や睡眠をとるようにしましょう。不特定多数の人と接触する機会を減らすため、人ごみを避けるのも有効です。

インフルエンザの種類

インフルエンザは主にA型とB型とに分けられ、発症例が多いのはA型です。これはA型が変異しやすいという特徴を持っているからです。そのため一度作られた免疫が機能せず発症しやすくなります。

対するB型は変異することが少ないため、一度感染したあと比較的免疫が持続しやすいという特徴があります。もちろんB型に全くかからないわけではありません。

インフルエンザの潜伏期間と感染期間は?

インフルエンザは平均2日の潜伏期間があります。早いときで1日、遅くても4日程度の期間と言われています。感染した場合、比較的早く症状が現れるのが特徴です。

一度感染すると、発熱する1日前から3日目くらいまで他者への感染力も非常に強く、7日目ごろまで感染力を持ち続けるという、非常に強いウイルスです。年齢が低いほど感染が長引くことがあるので注意が必要です。

こんな時はインフルエンザを疑おう

  • 急に38℃以上の高熱が出たとき
  • のどが痛い
  • 鼻水、咳などが出る
  • 頭痛や関節の痛み、倦怠感、筋肉痛のような症状が出たとき
  • 食欲不振、腹痛、嘔吐、下痢などの症状

インフルエンザかどうか分かるまでの日数

インフルエンザは普通のかぜにも症状が似ており、素人が見分けるのは困難です。また、発症してすぐは検査をしてもインフルエンザのウイルスが検出されないこともあります。高熱が出た場合は一度受診し、検出されなかった場合は再受診するかどうか医師の指示に従いましょう。

気を付けたい合併症

インフルエンザにかかった場合、肺炎や中耳炎、熱性けいれん、脳炎、インフルエンザ脳症などを併発する危険があるので注意が必要です。油断せず様子を見守るようにしましょう。

インフルエンザのときの食事

  • 経口補水液などで水分補給
  • おかゆなど消化のいいものを食べる

解熱時に発汗するので、水分補給はしっかりと行いましょう。経口補水液を始めスポーツ飲料、水や白湯でも構いません。脱水症状になると点滴が必要です。幼稚園くらいの小さい子どもの場合、症状が重くなると入院の可能性もあるので注意が必要です。

食事はおかゆやうどんといった炭水化物で、消化のいいものを用意します。具合が悪い時は体も栄養を受けつけません。そのためたんぱく質や脂質を無理に取る必要はありません。ゼリー飲料もたんぱく質が主成分のため、インフルエンザの時の食事には不向きです。

解熱剤に注意

熱が高いと心配で解熱剤を使用される方もいるのではないでしょうか。ここでも注意が必要です。解熱剤の種類によっては、急性脳症を引き起こすことがあるからです。もし薬局で解熱剤を購入するときは「アセトアミノフェン」と書かれているものを購入してください。

「アスピリン」系のものはタブーです。仮に小児用であっても、安易な服用は避けてください。もし自分で判断がつかない場合は医師に相談しましょう。

インフルエンザになった場合の登園

インフルエンザにかかった場合、「発熱した日を0日目として発症後5日を経過し、且つ解熱した日を0日目として(乳幼児の場合)解熱後3日を経過するまで」という規定が、学校安全保健法によって定められています。

例えば発症4日目に解熱した場合は、発症した日を除いて5日間は出席停止、7日目から登園再開ができます。つまり最低丸5日間は登園停止、熱が何日目で下がるかによって期間が変わる、ということです。ただし、医師が感染の恐れなし、と認めた場合は登園が認められることもあります。

「熱が下がった」とはどういうことを基準に考える?

ひと口に解熱後(熱が下がった後)といっても、朝に下がって夜になると熱が上がる、という状態もあります。基準になるのは、一日平熱で過ごせたらということです。上がったり下がったりしている状態は完全に下がったとは言えませんので、注意してください。

熱が下がっても安静に

インフルエンザの感染力は7日間程度続くということで、熱が下がっても感染力が残っている場合があります。また幼児の場合一度解熱しても、その後の養生によっては再度発熱することもあります。薬を飲んで熱が下がっても2~3日は安静に過ごしましょう。

子どもとしては熱が下がったらめいっぱい遊びたいことでしょう。その気持ちもわかりますが、ウイルスを退治する体力を奪ってしまったら元も子もないですよね。もうちょっとだけ我慢してもらいましょう。

インフルエンザは日々の予防と安静が第一

インフルエンザの流行は毎年やってきます。その中で少しでもリスクを減らすためには日々の予防の積み重ねが大切です。手洗いうがいは子どもが自分でできることなので習慣づけをしましょう。アレルギーがなければワクチン接種も有効です。その他消毒などできる対策をとるようにしましょう。

もしかかってしまった場合は、水分をしっかりととり安静にすることが第一です。熱が下がっても安心せず、合併症に注意して過ごすようにしてください。

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