乳幼児期の予防接種のピークは生後2ヶ月から1歳までです。次々と受けなければいけないために、ママも赤ちゃんも大変だったのではないでしょうか。
1歳を迎えると0歳のころよりも予防接種の数は減っていきますが、まだまだ大切な注射があるので気を抜かずにしっかり受けるようにしましょう。
1歳児が受ける予防接種の種類
【定期接種】(予防接種法で「できるだけ受けましょう」と定められているもの)
- MR(麻しん・風疹混合)ワクチン
麻しんとは「はしか」のことです。高熱が続き、全身に発疹が広がります。重症化しやすい病気なので、感染すると入院するケースがあります。中には死亡する例もあるので、1歳を過ぎたらすぐにでも接種しておきましょう。
風疹は「3日はしか」と呼ばれるもので、はしかほど重症にはなりませんが、妊娠中の女性が感染すると胎児に障害が出るおそれがあります。そのため、必ず受けておきたいワクチンです。
おたふくかぜ、水痘と同時接種できるので、計画を立ててみましょう。 - 水痘(水ぼうそう)
2014年9月までは任意接種でしたが、それ以降は定期接種になっています。感染力が高い病気なので、免疫がないとほぼ確実に感染するといわれています。しかも、重症化することがあり、脳炎や肺炎を併発し重症化するケースもあるのです。そのためにもきちんと接種しておきましょう。2回接種で感染率は5%にまで減らすことができます。1回目からは3ヶ月以上あけてください。理想は6ヶ月あけるのがいいといわれています。 - 0歳児に受けたワクチンの追加接種
ヒブの4回目、小児用肺炎球菌の4回目、四種混合の4回目の接種を受けます。いずれも同時接種で受けられます。もし0歳のころにこれらのワクチンを受けていない場合は、なるべく早く接種します。小児科医か保健師さんに相談してください。その場合、ヒブと小児用肺炎球菌ワクチンは1回目の接種から60日以上の間隔をあける必要があります。専門家のアドバイスを受けながら、スケジュールを組んでいきましょう。
【任意接種】(希望者だけが任意で受けるものですが、感染を避けるためにも受けておきましょう。)
- おたふくかぜ
乳幼児が感染することは少なく、幼稚園や学校などで流行する傾向があります。耳の下(耳下腺部)が腫れて、耳やのどの痛みを感じます。のどの痛みと高熱で食事が食べられないこともあります。また、おたふくかぜは大人になってから感染すると重症化するといわれています。男性は精巣炎、女性は卵巣炎になることもあります。任意接種ではありますが、受けておきたいですね。1回の接種でも免疫はつくのですが、2回受けておくと安心です。
■1歳児の予防接種スケジュール例
1歳 | 1歳1~2ヶ月 | 1歳6ヶ月 | 就学前 | |
MR | 1回目 | 2回目 | ||
水痘 | 1回目 | 2回目 | ||
追加摂取を同時に受ける (ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合) |
4回目 | |||
おたふくかぜ | 1回目 | 2回目 |
なお、インフルエンザが流行する前に予防接種を受けておくと安心です。
予防接種の副反応
0歳児でもそうでしたが、予防接種を受けると軽く感染した状態になります。それは生きたワクチン(または死滅したワクチン)を子どもの身体に入れるからです。そのために麻しんや風疹、水痘の接種を受けた後は発熱や発疹が出ることもあります。また、おたふくかぜの予防接種の後に耳の下が腫れるといった症状も見られます。
これらは「副反応」といって、多くは1~2日で収まっていきます。ただ、熱が1日以上続く場合や、普段と違う様子が見られたらすぐに小児科医の診察を受けましょう。
予防接種の費用
定期接種は無料で受けられますが、任意接種は有料(一部、自治体から補助が出る場合もあります)です。しかし、重症化するともっと大変です。できるだけ受けるようにしましょう。